第3章 流行の原因は頭の中にある            トップページへもどる 

このページにある文章は、私(森田洋一)が商業出版用に書いた原稿の一部です。ただしこの部分は本にはなりません。
  じつは、原稿を書きすぎまして、全部を本にすると、新書に換算して600ページを軽く超えてしまうことがわかりました。これではちょっと多すぎますので何度も削りました。削ったというよりも、バッサバッサと切り取ったという感じです。そうして、ようやく300ページぐらいにまで減らしました。
  これは、その減らした方の、つまり削り取った方の原稿の一部です。
  もともと、このサイトのための文章ではありませんので、引用のし方などにおかしなところがあります。また、このサイトの他のページと重複している部分もたくさんあります。それも、原稿からこの部分を削った理由
の1つです。
  ですからあなたは「くどいなぁ、他でも出てきたじゃないか」と思うかもしれません。また、読みづらいところもあるかもしれません。それでも、あえてそのまま載せてみました。
  理詰めのトレンド予測の原稿では第1章の次にくる2章、3章の第3章に当たります。本にするときは両方の章とも削りました。現在の2章は原稿ではそれよりさらに後の第5章でした。
理詰めのトレンド予測から削った原稿

1 流行の周期はこうして

  つかめ

  第1章で、循環要因の話をしました。循環要因という道具を使うことで流行の予測ができることを説明しました。でも、プロ達が実務で日々経験している流行現象は複雑すぎるほど複雑ですので、そのままでは、単純な循環要因を見ることができません。つまり、複雑な流行現象そのものからは循環要因を抽出できないということです。
  また、循環要因を知り、これからの流行を予測しても、答が単純すぎて、複雑な流行現象を現実に即して予測したことになりません。これでは、あなたが具体的にこれから何をすればいいのかというレベルにまで話を展開できません。
  それで第2章では、流行予測を簡  
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−トレンド予測 2段目−
単にする6つの方法について述べました。(ここで言っている第2章は、商業版の第2章ではない。この第2章も商業版では削除した)複雑な流行現象を、循環要因の考えで理解し予測できるようにするために、複雑に見せている仕掛けを1つずつ外していきました。流行現象の複雑にからんだ糸をほぐして、循環要因がストレートに使えるところまで簡単にしました。
  流行を複雑に見せている理由は6つもありましたね。こんなにあったんですから、流行を予測するのは難しすぎると多くの人が考えても無理はありません。
  こういった、流行をややこしくさせている原因を一つ一つ取りのぞいて、純粋の流行現象だけにすると循環要因が残ります。ただし、1つの循環要因ではありません。残るのは、複数の循環要因の順列です。
  複雑な流行現象を、循環要因の順列に還元する方法を、逆方向に使うと、将来現実にあなたが経験するであろう
複雑な流行現象に翻訳することができます。
  具体的には、「過去の流行現象→過去の循環要因の順列→各循環要因を操作して未来の循環要因を求める→未来の循環要因の順列→未来の流行現象」という手順を通して、あなたがこれから経験する流行現象を予測することができます。
   
  もっとも、循環要因はどの分野でも共通ですから、毎回この手順を踏まなければならないわけではありません。多くの場合、過去の流行現象から過去の循環要因の順列に翻訳したり、そこから未来の循環要因の順列に変換する作業は、大幅に少なくなるか、全部を省略することができます。
  ただ、それをやっていいのは、あなたが流行予測のスペシャリストになってからです。初心者の間はあなたにも、基本的な作業を、紙上で模擬的にですが経験してもらわなければなりません。そう
でないと、自分がやっていることの意味を理解できなくなりますから。
  理系の学生が、機械にやらせればカンタンにできてしまうことでも、いちいち手作業で実際に経験して理解を深めるのに似ています。
  
  第3章では、循環要因の順列とその操作について説明していきます。
  
  流行には繰りかえしがある。繰り返すのはその原因にも繰り返しがあるからだという話は、これまでもしてきました。ファッションの移り変わりをみても直感的に分かることですから、多くの方に賛成してもらえると思います。
  直感的に分かりにくいのは、AV家電やコンピューターソフトのように技術革新がハイペースなものや、突発的な流行に見えるものにも繰り返しがあるということです。「進歩したのに繰り返してる? 前後がないのに繰り返してる? …なんやそれ。」というわけです。
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−トレンド予測 3段目−
 
  音楽の保存媒体が、LPやSPレコード中心からCD中心に替わったのはたった5年ぐらいの間の出来事でした。それからしばらくして、レコードの人気が復権しましたが、あくまでもマイナーな流行で、CD中心は揺るぎませんでした。音質で考えても、保存性で考えても、CDのほうがレコードより圧倒的にすぐれていたからです。
  技術革新でいったん得られた知識は忘れませんから、技術は一方向に進んでいきます。技術史に後戻りはありません。「半導体チップの集積度は1年から2年で2倍になる」という、インテルのゴードンムーアが唱えた有名な経験則がありますが、コンピューターに使われている集積回路の集積度はどんどん先へ進むばっかりで後戻りはありませんね。まして、今のコンピューターが、初期の頃のような真空管だらけに戻るなんて考えられません。どう考えたって、私が今使っているパソコンの方が、昔の真空管
だらけの「電子計算機」より私に親切ですし、頭もいいんです。
 
  でも、CDが爆発的に売れるようになってからLPなどを駆逐するまでは、驚くほどの短期間でしたが、それ以前には、CDがレコードの牙城をなかなか切り崩せない時期がしばらくありました。CDの長所が、それまで慣れ親しんだレコードを捨てさせるほどには評価されない時期があったんです。
  CD全盛になってからも、LPレコードやSPレコードの復権が、小さな流行ですがありました。そのときは、サイズが大きいのでジャケットのデザインが楽しめる、アナログなので音が柔らかいというレコードの「長所」が評価されました。
  レコードとCDのように優劣がはっきりしている場合でも、それぞれの長所短所を過大に評価する時期と過少に評価する時期があります。つまり、循環があります。そのため、普及スピードに緩急の違いが出ますし、小規模ですが逆戻
りもあります。
  コンピューターの技術革新でも、メーカーの思惑通りにユーザーが新型にすぐに食いついてくれる時と、なかなか買い替えてくれない時がありますね。高性能な新型コンピューターは値段もそれなりになりますから、それでもすぐ買ってくれるほどに、その高性能を評価してくれるかどうかが問題になります。そして、その高性能をどれくらいに評価するかに循環があるんです。
 
  第2章の初めで、書籍のミリオンセラーは前後の流行がないように見える、孤立しているように見えるという話をしました。循環要因の重なりの結果なのに、なぜ循環がないように見えるのか、三角波の例を考えると分かりやすいと思います。
 
  広い大洋上で船がアラシにあうと、あるいはアラシがある場所の近海を通ると、まわりの海面は波のうねりが当然大
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−トレンド予測 4段目−
きくなります。ただ、うねりが大きいだけですとそれほど怖くはありません。大きなうねりは、波の進行方向は落差がありますが直角方向は水平だからです。
  ところが、強風の風向きがいきなり変わって、海面に別方向のうねりが発生するとやっかいです。今までのうねりと新しいうねりが重なり合うからです。うねりの山と山が重なったところはより高くなりますし、谷と谷が重なったところはより低くなります。違う向きのうねりが重なるんですから、落差のない方向がなくなります。
  さらに風向きが変わると、波はうねりというよりも、テッペンが尖がった海水の柱になります。これが三角波です。この海水の柱が船の横腹に体当たりしてきますから、普通の波より危険です。
  もっとも、違う方向のうねりが重なると一本の柱のようになるといっても、海の三角波は2次元の広がりしかない海面上での出来事です。ですから波がとがるといってもたかが知れています。
  これに対し、流行の三角波は、関係する流行要因の数だけあるN次元の空間に発生します。たとえば、あるミリオンセラーをミリオンセラーにした主な流行要因が5つあったとすれば、そのミリオンセラーは5次元空間内に発生した三角波に乗っています。めちゃくちゃとがっていますし、それぞれのうねりの周期が違いますから、まわりにその三角波に匹敵する水柱はありません。
 
  個々の循環要因には循環があります。ところが、多くの循環要因が重ねあわされた結果は孤立した柱として現れます。つまり、循環要因の当たりを驚くほどたくさん引き連れた、特別に選ばれた流行現象であればあるほど、孤高を愛するようになるんです。
 
  進歩しているものにも循環があるという話や、循環が無いように見える流行にも循環があるという話よりもっと分かりにくいのが、循環要因の繰りかえしの周
期が一定であるということです。多くの流行で循環があるのは直感的に分かりますが、その周期がいつも一定だというのは。我々の直感では分かりません。むしろ不規則であるように感じます。さまざまなデータもそれを支持します。
  さらに不思議なことがあります。循環要因は正反対の要因が対(カップル)になっていました。でも我々が直感的に認識している流行循環には必ずしも逆がありません。多くの場合、「ある物がヒットして、それがすたれて、またヒットして、またすたれた」というぐあいに循環しているように感じます。「ある物がヒットして、それがすたれるのと同時に逆がヒットして、逆がすたれるのと同時に前の物がヒットして、それがすたれるのと同時に逆が復活して」という変化には見えません。
 
  私は、社会現象として現れた流行が、すべて厳密に一定の周期をもって循環しているとは考えていません。どんな
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−トレンド予測 5段目−
流行でもかならず逆の現象が機械的に観察できるとも思っていません。一定の周期で循環しているのは、流行現象ではなくて、それを起こしている原因であると考えています。逆があるのも原因の側であると考えています。
 
  流行の原因は厳密にいうと個々の消費者の頭の中にあるわけですが、その生理的変化に気まぐれはありません。機械的に変わって行きます。
  我々の頭の中では対立的な価値尺度が共存していて、時代時期によってその片方だけが一時的に表に出てきます。その周期は一定です。つまり厳密に言うと、周期が一定なのも、逆があるのも我々の頭の中だけの話なんです。
 
  流行現象は社会現象、つまり社会科学の対象ですが、流行の原因は社会現象ではありません。大脳生理学に属する分野です。それなのに今までの専門家は、流行の原因までも社会科学という
縄張りの中からこれまで見つけようとしてきました。それが、流行の予測を今まで困難にしてきた理由の1つになっています。
 
  ただ私が循環要因の話しをするときは、たいていは、本当の原因である個人の頭の中のレベルまでは戻りません。流行現象と同様に社会的にマスの出来事としてとらえています。個人個人に分解しないのは、そのほうが理論を簡単にできるからです。個人の頭の中の変化であっても、その変化は、年齢性別が同じだと誰でもほとんど同時に起きますので、個人に分解しなくても流行の原因を論じることができますし、流行を予測することもできます。ですから、循環要因を流行予測の道具に使う分には、マスの状態のままで十分なんです。
 
  ここで、見えない循環要因を見えるようにするため、循環要因の模型の話をします。
  循環要因は一定の周期で循環します。循環要因は、互いに正反対の要因と対(カップル)になっていて、替わりばんこに表に出ます。表に出ている期間や裏に隠れている期間は一定です。当然、一周して元に戻るまでの期間も一定です。そして、それぞれの循環要因の対(カップル)はほかの循環要因の対とは周期がバラバラです。
  循環要因の模型は、シーソーを考えると分かりやすいかもしれません。正反対の要因は、シーソーの両端にあります。そして替わりばんこに上がります。上に来てから下がって再び上に来るまでの期間はいつも一定です。
 
  シーソーに乗った正反対の循環要因は、両方同時に上昇したり、下降したりはしません。片方が上がっているときは、逆の端は下がっています。
  具体的にいうとたとえば、重いものが売れているときは軽いものは売れません。「重い」と「軽い」は対(カップル)にな
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−トレンド予測 6段目−
っていて片方が出ているときには、もう一方はお休みです。同じように、大きな柄が人気のときは、小柄は売れませんし、小柄が売れているときは大柄がお休みです。「大きい」か「小さい」かというのも、同じシーソーの両端で、互いに向かい合っている循環要因です。
  さらに、具象柄が人気のときは、抽象柄は売れませんし、抽象柄が人気のときは、具象柄は売れません。こってり味が人気のときはさっぱり味は人気がないですし、さっぱり味が売れている時は、こってり味は売れません。香辛料が人気のときは、淡白な味はダメです。シンプルなものが売れているときは、デコラティブなものは苦しい。丸っこいデザインが人気の時は、四角いデザインはお休みです。速いリズムの曲が人気の時は、スローなリズムは売れません。悲観論が人気のときは、楽観論は受けません。
  正反対なものは、少なくとも同じ市場向けとしては共存できません。共存して
いるように見えるときは、第2章の流行を複雑に見せている6つの理由で説明できます。
 
  あなたも、循環要因の仮説を立ててみませんか。自分が関心を持っている分野で矛盾しない仮説が作れたら、ほかの分野でも成り立っているか確かめましょう。それで大丈夫だったら、実際にそれを使って予測してみましょう。予測したとおりの時期に、予測したとおりのことが起こったら、その仮説は完成です。あなたにとって、一生モノの宝になります。
  
日刊工業新聞を読むと分かりますが、画期的な新技術は、大手企業が発表するものだけでも結構あります。でも、その中で、大きな売り上げや利益をもたらしてくれるものはわずかです。すぐれた技術であることと、それが社会に受けいれられるかどうかは別です。
  あなたが技術者だったら、あるいは技術開発の方向を決める人だったら、そ
の技術が完成した時に、それぞれの循環要因がどうなっているかを知ることが重要です。その技術を過小評価するタイミングだと、運がよくても普及に時間がかかりますし、たいていは市場で受け入れられなくてぽしゃります。過大評価を受けるタイミングなら、どうしょうもない技術でない限り受けいれられます。
  これから何を研究開発するかを決めるタイミングでも、その時の循環要因の動向を気にしましょう。地震予知ブームのころや超伝導ブームのころを思い出してください。当時は、子供の遊びのような研究にまで予算がつきましたよね。
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―トレンド予測 7段目―
2 こうすれば流行の周
期は簡単に分かる
(1)流行循環の原因は私たち個人の頭の中にある
  先ほど、重いものが売れているとき、軽いものが売れているときという言かたをしました。でも、よく考えると、この「重い」「軽い」という分類はおかしいですね。重い軽いと言ったって、ようするに質量ゼロの状態から、どれだけ離れているかという程度の違いです。質量という同じ性質の、同じ方向の程度の違いです。それを我々は、「重い」と「軽い」とは正反対のものであるかのように扱います。
  他の例をあげましょう。あの人は色が黒い、あの人は色が白い。あの人は背が高い、背が低い。この部屋は暑い、寒い。このステーキは硬い、柔らかい。…どれも同じですね。肌の白黒は、ようするに光の反射率という同じ性質の同じ方向の程度の違いで

市場は
 本当の原因から考えれば予測できる

すし、背の高さも、身長ゼロの状態からどれだけ離れているかという、同じ性質の同じ方向の程度の違いです。部屋の暑さ寒さも、絶対零度からどれだけ離れているかということで、同じモノサシの数値の違いです。ステーキの硬い柔らかいは、肉をフォークや歯で押した時に、同じ力でどれだけ変形するか、あるいは同じだけ変形させるのにどれだけ力がいるかということで、同じ性質の同じ方向を向いた数値の違いです。どれも正反対のものではありません。それを正反対のものであるかのように我々は扱います。
  正反対の組み合わせになるのは、自然界が正反対のカップルでできているからではなくて、我々の頭が、外界をそう分類しているからなんです。
  シーソーの上で対になっている正反対の循環要因は、厳密には、人間の外にある自然会や社会には存在し
ません。我々人間の頭の中にだけあります。
 
  この、頭の中の分類のカップルが時間の経過とともに入れ替わるのを、個人ではなくて、マスとして観察したときに循環要因と私は言っています。そしてそれは、流行現象となって現れます。
  厳密に言うと、頭の中の分類カップルと流行の関係は、「個人の頭の中のシーソー」→「個人の行動」→「各人の相互作用」→「マスとしての行動=流行」なんですが、それを「個人の頭の中のシーソー」→「マスとしての頭の中のシーソー」→「マスとしての行動=流行」と考えるわけです。この簡易版を使うのは予測がラクだからです。
  簡易版といってもそれは、本当の原因である「個人の頭の中のシーソー」の存在を前提にしているわけです。だから、「マスとしての頭の中の
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−トレンド予測 8段目−
シーソー=循環要因」を通して流行を見ることで、流行を本当の原因から観察したことになるんです。そして、本当の原因から観察したんですから、流行の予測もできるようになります。
 
  これまでの話でも分かるように、私は流行循環論を主張しています。でも流行循環論は私の発明ではありません。昔からあります。あなたも聴いたことがあると思います。「金ボタンは○○年周期」だとか「ネクタイの幅は○○年周期」「パンツのブーツカットは○○年周期」「コートは○○年周期」「テレビは○○年周期」「シリコンサイクルは○○年周期」「お笑いは○○年周期」「アウトドアは○○年周期」「消費者金融は○○年周期」「在庫は○○年周期」などなど。
  
  このように、流行循環論は昔からありますし、その支持者も昔からある程度の比率で存在しました。事実、流行が繰り返していることは、部分的にですが誰
でも観察することができます。ただ今までの流行循環論には弱点がありました。その○○年周期説をもとに具体的に予測しようとすると外れてしまうんです。その予測どおりには市場が動かないんです。
  それで、「流行は繰り返すが繰り返していない部分もあって、実際の流行はラセン階段のように進んでいく」という考えや、「周期は一定ではなくてゴムのように伸び縮みする」という考えを導入する人も現れました。でも、外れるたびに理論をあれこれ修正しても、やはり次は外れます。それに、いじればいじるほど理論は複雑になりますし、不確実な部分が増えますから、予測のありがたみが無くなってきます。
 
  今までの流行循環論が、実際の予測に失敗したのは、流行現象そのものに循環があると考えたからです。
  Aという流行現象があって、その5年後にほとんど同じ流行現象A'があってそ
のまた5年後にA"という流行現象があったとします。そこから、次の5年後にもAが流行するはずだと考えるのが、今までの流行循環論でした。これで本当に5年後にAの流行が来ることもあるんですが、来ないこともあります。来たとしても、そのまた5年後にAが来る保障はありません。
 
  この流行循環に対して、私はこう考えます。
  「Aの流行と、その5年後に来たA'の流行が似ているのは、この2つを流行させた循環要因の順列が似ているからだ。
  ただ個々の循環要因は周期がテンデンバラバラに違っているから、まったく同じ順列にはなっていない。前とほぼ同じ状態になっていると言える循環要因でも、周期が5年ちょうどより長いものもあれば、周期が5年ちょうどより短いものもある。5年の間に、2回循環する循環要因や、3回循環する循環要因もあるだろ
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−トレンド予測 9段目−
う。そういう周期が短い循環要因も、5年ちょうどで、前と同じ状態にピッタリ重なるわけではない。前とは微妙にずれている。
  5年前と後で循環要因の順列が似ていたということは、個々の循環要因の周期は一定なのだから、その5年後も循環要因の順列が似ている可能性が高い。でも、微妙なずれはさらに大きくなっているはずだ。つまり、流行現象A"は、5年前のA'ほどには、10年前の流行Aに似ていないかもしれない。
  ただ、初めのAを流行らせた循環要因に10年前後の周期のものがあれば、その循環要因に関しては、Aの5年後のA'より、10年後のA"の方がAに似ていることになる。
 
  どちらにしても、それぞれの循環要因の循環周期は、5年や5年を自然数で割った年数と、ピッタリとは合わないのだから、同じ流行と言えないほど順列が違ってしまう時が何回目かにくる。そ
のかわり、循環周期がそれぞれテンデンバラバラということは、Aが流行した時とよく似た循環要因の順列が、ぜんぜん関係のない時期にたまたまできるということもあるだろう。その場合は、Aの流行が復活するが、その時期は5年の自然数倍ではなくなる。」
  
  Aが流行した時、それを流行らせた循環要因の順列とそれぞれの循環要因の周期と位相(タイミング)が分かっていれば、次に来るA'の流行や、その次のA"の流行も予測できます。さらに、それぞれの流行が、どこが似ていてどこが違っているのかも分かります。定期的に繰り返しているように見える流行が、同じ流行と言えないほど違ってしまうのが何回目かも分かります。その後、Aとよく似た流行が復活することがあるのかどうか、その時期はいつなのかも分かります。
 
  あなたが扱っている商品が売れなく
なったとき、その商品をそれまで流行させていた、循環要因の順列と、そのそれぞれの循環要因の周期と位相(タイミング)が分かっていれば、売れなくなった商品をすぐに処分すべきか、細々と続けて復活を待つべきかの判断ができます。どこをどう変えればまた売れるようになるかが分かります。次に勝負する復活の時期がいつかも分かります。その商品がお休みしている間に代わりに売るべき物も分かります。
 
  あなたが、循環要因の順列や周期や位相を知らなくても、どのシーソーの循環要因が逆の要因と替わったため売れなくなったのかが分かっていれば、次に売るべき商品を見つけられます。その循環要因のカップルを、今までの反対の方に変えたものを作るか仕入れて売ればいいんです。
  売れなくなったということは、それまで当たっていた循環要因が外れているということです。循環要因には逆があり
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−トレンド予測 10段目−
ます。循環要因のカップルの片方が落ちていれば、逆は必ず上がっているはずです。それを見つけることで新しいヒット商品が作れます。
  ただ、この、人気が落ちたから逆へ行くという方法は、周期の短い循環要因では間に合いません。周期が短い循環要因では、商品を逆の方へ変えてみたら、循環要因が再び動いていて、消費者はすでに前の循環要因に戻っていたという危険があります。
  どんな周期の循環要因でも、どんなに先の流行でも予測しようと思うのなら、やはり循環要因の周期の長さをきちんと確定させておく必要があります。循環要因のシーソーの上がり下がりの周期がきちんと分かっていれば、何周期も先の流行もちゃんと予測できます。
(2)流行の原因は不連続に変化する
  私は理工系の出身です。そのため、理学工学の発想で流行を考えています。流行をデザイナー的なセンスで予測しているわけではありません。流行予測は技術です。理屈だけで予測できますから、ファッションセンスはいらないんです。
  あなたが、自分のセンスに自信がない人だったとしても大丈夫ですよ。私のような理工系のイモでも、流行を予測しているんですから。
  ただ、予測した結果を具体的な形にするときには、デザイナー的なセンスがあるに越したことはありません。が、そのときだって、形にするのは他の人にやってもらって、自分は予測理論をもとにチョイスしたり、修正したりする側になれば問題はありません。
  デザイナーのようなセンスはいりませんが、流行予測という技術の体系を作るまでは、技術屋としてのセンスが必要で
す。そういう点では、国文科や英文科を出た人には向いていないかもしれません。
それと、答えが出るまではあきらめないで単純作業を続ける根気が必要です。1つの仮説の裏を取るんだって、膨大な作業を要しますから。
  とはいえ、流行予測の理論を作るまではタイヘンですが、できてしまえば、それはたんなる道具ですから誰でも使えます。パソコンを使えるようになるよりも、車を運転できるようになるよりも簡単だと思います。使いこなすためのコツみたいなものはあります。でも、それを身に付けるための特別な才能はいりません。誰でもできるようになります。
 
  流行現象は複雑です。でもそれはデタラメではありません。その複雑さは理詰めで解いていくことができます。理詰めといっても難しい外国語や高等数学は使いません。
  私は子供のときから暗記物がキライ
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−トレンド予測 11段目−
でした。今でもそうです。ですから、あなたにも、受験勉強のようなしんどいことはさせません。だれでも知っている言葉だけで説明するよういつも気をつけています。やさしい話で流行の予測ができれば、それが一番いいんですから。
 
  私が研究しているモード工学は難しい微分方程式を使いません。なぜなら流行はだらだらとは変化しないからです。
  だらだら変化するのなら、流行を表すグラフは、時間軸にそって変動する曲線になります。そうなれば、流行を理解するのに微分積分を避けて通ることができなくなります。
  私がまだ流行予測のアマチュアだったころ、今から20年以上前は、流行はじょじょにだらだらと変化するものだと考えていました。セツナセツナにチョビットずつ変化するものだと思っていました。これだと難しい数学の知識が必要になります。
  そういう数式を使うのは、理工系出身の私でさえ面倒だと思うのですから、その訓練を受けていない一般の人に微分方程式で説明するとなるとさらに大変です。微分積分と聞いただけでジンマシンが出てしまう人は多そうです。ですから、「これはかなわんなあ」と思っていました。でも、それは杞憂でした。流行はダラダラとは変化していませんでした。不連続にステップ状に変化していました。
  若いころの私がなぜ、流行はだらだらと変化すると思ったかというと、車のボディの流行を表すグラフがサインカーブだったからです。
そのグラフは、大手自動車メーカーのデザイン室を中心としたチームが作りました。1982年のことです。
  当時の私はまだ公務員でして、流行予測は純粋の道楽でした。自分がこれを将来仕事としてやっていくようになるとは考えていませんでした。
流行予測に関系する集会に参加してい
たときに、自動車メーカーのチームのかたがたと知り合いました。そのとき、車のボディの形がどう変わってきたかいっしょに調べました。過去にヒットしたデザインの特徴を数値に直して、その数値で循環を求める研究をやりました。各年の販売台数のベスト10を取って、各乗用車の丸みの強さを点数に直して、その重み付け平均を求めるという方法でした。
私は、それまでの流行資料分析の経験からいくつかアドバイスしましたが、車の資料の収集と集計はメーカーの方々がやりました。わたしはタッチしていません。 
で、その集計結果を示すグラフができまして、見せていただいたんですが、それが、数学の教科書に出てくるようなきれいなサインカーブを描いていたんです。
  これを見た時、私は驚きました。循環がはっきり読み取れるところまで分析が進むであろうとは思っていましたが、ここまでエレガントに表されるとは予想して
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−トレンド予測 12段目−
いませんでした。
   正直に言います。当時の私は、そのグラフの曲線の美しさに感激してしまったのです。これが、私が流行予測をビジネスにしはじめた理由の1つになりました。
  でも、この仕事を始めて、実際に自分でその流行の追認をしてみたら、そんな曲線は出てきませんでした。
  まず、他の流行で循環要因はサインカーブで変化していないことに気づきました。それは甘さの流行について調べていた時です。
  甘みの循環要因の周期はとっても長いんですが、それにもかかわらず、甘いもののダメになった時期、復活した時期がはっきりしているんです。周期が長いんですから、連続的に変化しているのなら、その勾配は非常にゆるいはずです。にもかかわらず流行の変わり目がはっきりしています。ということは、流行は不連続に
階段状に変化しているということです。他の周期の長い流行でもそれは確かめられました。
  そしてじつは、自動車のデザインの流行にも、自動車メーカーのデザイン室が主張しているようなサインカーブはありませんでした。
  それだけではありません。自動車メーカーが統計を整理するにあたって、前提としていた流行の仮説も、厳密には誤りであることが分かりました。そしてそのグラフが示していた周期もです。
 
  結局私は、循環要因の仮説を作るのも、循環周期を確定させるのも初めからやり直さなければならなくなりました。
  「大手自動車メーカーが自らの内部資料をもとにおこなった調査」というブランドに、私は一杯食ったことになります。自分では、ブランド志向ではないほうだと思っていますが、このと
流行にサインカ
lブは無かった
きはやられました。
  このことが分かってから、ますます権威を信用しなくなりました。若いころに比べれば、今の私はかなり性格が悪くなっているのではないでしょうか。
  
 ようするに、資料というものは、最初からすべて自分で手がけたもの意外は信用してはいけないということです。どんなに信用できそうな人、信用できそうな組織が発表したものでも、ウソかもしれないという前提で見なければならないんです。
他の資料や他の事実とつじつまが合うかどうかのチェックは必ず必要です。さらに、チェックにパスしたからといって完璧に信用していいわけではありません。一応は正しいであろうと仮に決めておくだけです。
資料にウソがあるといっても、必ずしも悪意があるという意味ではありません。結果としてウソになっているだけ
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−トレンド予測 13段目−
で、動機は善意である場合が多いんです。でもウソはウソです。
 
  これは、資料と呼ぶほど大げさでないものの、我々が単に事実と呼んでいるものでも同じです。
我々が事実といっているもののほとんどは、自分が直接経験したことではありません。自分の耳で聞き、自分の目で見、自分の手で触り、自分の鼻で嗅いで、自分の舌でなめた事実は、我々が「事実」と呼んでいるもののごく一部です。他は、人から聞いた事実、教わった事実、新聞や雑誌で読んだ事実、インターネットや本で調べた事実、テレビやラジオで知った事実です。こういうものは必ず編集されています。他人が編集した事実です。ですから、一応は正しいであろうと仮に決めておくだけです。
 
  たとえば私が、これはおかしいのではないかと最近思ったものに、次のような「事実」があります。
「書籍の売上げは毎年少しずつ減少している。出版不況である。だから利益を少しでも確保しようと、出版点数が増えている。短期間のうちに出版点数が約2倍になった」と新聞などに載っています。
  この理屈、なんかおかしいですよね。市場が縮小しているのになんで企画点数が増えるのでしょう。そんなことしたら、出版不況であろうとなかろうと、分母が増えるんですから採算割れの本ばっかりになってしまいます。
それに、出版点数を増やして儲かるのなら、出版不況になる前に増やしていればもっと儲かるはずです。
  出版点数が増えたのは、出版のコストが下がったからではないか。採算が合う冊数が、つまり損益分岐点が下がったからではないか。書籍は再販製品なので、出版コストの低下が、価格の下落に向かわないで出版点数の増加に向かったのではないか。
 
  この疑問を、出版業界に長くいる人
にぶっつけてみました。
「コンピューターが当たり前になって、原稿の書き方から編集印刷製本の仕方までガラっと変わったし、海外生産も増えたしね」と笑っていました。
 
 ともかく、人が編集している「事実」は全部を信じてはいけません。「人類は月へ行った。」ハイ、正しいであろうと仮に決めておきます。「中学生が教師を殺した。」ハイ、正しいであろうと仮に決めておきます。「今年の経済成長率はプラスである。」ハイ、正しいであろうと仮に決めておきます。
 やりすぎだと思いますか。でも、何事もこれくらい疑り深いイヤ〜なヤツでないと、流行の研究はできません。だって今起こっている現実の流行と逆のことを言っているニュースなんてざらにありますから。
 
  私は、大手自動車メーカーというブランドにはだまされました。けれど、自動
―――13――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測と流行予測、次へ

−トレンド予測 14段目−
車のデザインを、業界の手垢にそまっていない本当の流行要因に分類したとき、その1つが簡単な循環を持っていたということは事実でした。ただ、それはサインカーブではなく、ステップ変化だったんです。
 
流行は、曲線的にだらだらとは変化しません。
  我々はある日トツゼン恋に落ちるんです。毎日チョビットずつほれるなんて面倒くさいことはやっていません。
それまでなんとも思っていなかったモノが、ある日トツゼン新鮮に見えてくる。それまでステキだと思っていたモノが、急につまんなくなる。それが流行です。
だらだらと変化しているように見えるのは、流行をマスの現象として観察するからです。一般に広く使われている統計数字は、それを動かす原因が無数にあります。さまざまな原因が絡み合った結果がその数字です。ですから流行の指標として使えそうな統計数字は角が取れ
て連続的に変化します。
  でも、あるタイミングで、ビジネスとしてスタートさせたらどうなるかということと統計上の数字とは、直接の因果関係がありません。無関係ではありませんが、単純な関係でもありません。
  企業の利益や、担当者の成績に直結しているのは、統計上の数字ではなくて、消費者の気持ちや行動の変化のほうです。個々の消費者はダラダラとは変わりません。それをマスとして観察した場合も、集計の仕方に気を配れば、ダラダラとはなりません。
  ですから、私が研究しているモード工学を、ビジネスのための便利な道具として使う分には、微分方程式はいりません。
 
  循環要因は、こんなんでいいのかと思うくらい単純です。難しい数式は出てきません。あなたが本誌を読み終わるころには、いくつかの循環要因を使いこなせるようになっているはずです。
  ただ、循環要因はたくさんありますから、あなたが使えるようになるのは、そのなかのごく一部です。ですから、あらゆる流行現象を、それが起こるかなり前から細かいディテールまで完璧に予測するというレベルまでは行けません。
  それは私も同じです。私は流行のカラクリをあなたよりは知っていますが、全部を知っているわけではありません。その点では、あなたと同じです。恐らく全部を知るようになる前に私の寿命のほうがつきてしまうでしょう。
  でも、細かいディティールまで完璧に予測できなくてもルンルンビジネスは可能です。百点満点を取らなくても東大には入れます。誰よりも良い点を取っていれば首席にだってなれます。
  たとえ、あなたの知っている循環要因がたった一つだったとしても、それだけでは当然、完璧な予測は無理ですが、確実にビジネスのリスクが減らせます。だってあなたのライバルは知らないんですから。ライバルが知らない未来
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−トレンド予測 15段目−
を、一部分とはいえあなたは知っているんですから。
  正確な循環要因を数多く知るようになれば、あなたの予測はより細かく、正確に、リアルになります。

3 これが現状認識の誤りを
修正する原理だ
  欧州大手アパレルメーカーの宣伝部長さんが、以前講演でこんな内容のことを話していました。
  「我々は、未来が見えていないのはもちろんのこと、今現在もちゃんとは見ていない。今の現実をありのままに見ることが怖いのだ。だから、過去の延長線上に現在を置いている。過去を現在と呼ぶことで安心しようとしている。バックミラーだけを見て車を運転しているようなものだ。」
 
  私はこれまで、循環要因の模型を動かして、過去や現在から未来を予測する話をしました。同じ考え方で、過去から現在を予測することもできます。循環要因の模型を過去から動かしていって、現在のところで止めてみるんです。現在のところで止めた循環要因の順列から、第2章で説明した「流行現象を簡単にする
方法」を逆方向に使って、自分が経験しつつある今の市場を再現します。現在を再現するという言い方はへんですが、とにかくハッキリ見えるようにします。
 
  先ほどの宣伝部長さんが言うとおり、我々は今現在をありのままに見ることが苦手です。過去の残像を現在だと思ってしまいます。
  今を見るのは苦手な我々ですが、過去のことは結構客観的に見ることができます。過去はもう動きませんし、その結果も分かっていますから、現時点では怖くありません。過去もあまり古すぎてはいけませんが、ちょっと前程度の昔ならいろいろな事実関係もよく分かっています。そのよく分かっていて、客観的に見ることができる過去から、循環要因を使って現状認識の誤りを修正するわけです。
 
  例えば、バブル時代のことは、その当時より、現在から振り返って観察し
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−トレンド予測 16段目−
た方がよく理解できますよね。同じように、3年前の市場のことは、3年前の時点で観察するより、今の時点から振り返る方がよく分かります。
  3年前のことが、当時はよく分からなかったように、今現在のことは、現時点ではよく分かりません。ですから、今現在よりよく分かっている3年前を初期値に入れて、3年前から見た3年後として現在を予測すると、これまでわからなかった現時点のことがいろいろ分かってきます。同様に、2年前から見た2年後の現在を予測し、1年前からその1年後の現在を予測すると、さらに現在のことがより正確に分かるようになります。
  実際は、こんなめんどくさいやりかたはしませんが、過去から今を予測するとは、原理的にはこういうことです。
 
 自分が滝の真上の船にいて、今から急落下するとしても、我々はそのことを知りません。すでに落下が始まってい
 
ても、その時点では、自分が落ちていることに気づきません。滝つぼまで落ちて、船が大破して初めて事件に気づきますが、まだ全貌を知るまでには至りません。
  よくチャンスには後ろ髪がないといわれますが、今が、千載一隅のときだとしても、その時点ではたいてい分かりません。タイミングを逸して、だいぶたってからやっと気づきます。後になっても、チャンスが有ったことすら気づかないかもしれません。
  どちらの場合も、あらかじめ現在を予測できていれば、我々は事の進行を初めから終わりまで鮮明な大画面で見ることができます。
  エッ、話しが大げさで抽象的すぎる。だったら、こういうのはどうですか、「今日の会議で、この前の案件について『順調です』と部下が言っていたが、本当に順調なんだろうか、後でポロポロ問題が表面化するんじゃないか」「今日の会議で専務に『順調です』と答えてしまった
が、本当にあれでよかったんだろうか。気になることがないわけじゃない。現場ではすでに問題が起こっていて、それを自分が知らないだけではないか」。ありそうな話しでしょ。
  現在を予測すれば、後になって分かる今が、現時点で分かるようになります。
 
  あなたのライバルが認識している「現在」は、たいていは過去の延長ですから、それとは違う本当の今を知っているだけで、あなたは、ライバルより一歩も二歩も前を進んでいることになります。
 
(06年5月12日、以上このサイトに転記)

 
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このページ最終更新 2010年11月26日

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