−市場予測 76段目−                     トップページへもどる読紙感想文の最上部へもどる
(新聞切り抜き)
日本経済新聞00年8月5日付より
景気自律回復へ試練□2■
消費 じわり追い風
買い替え・所得増の兆し

  
  東京・神田の雑居ビルの4階。23の特別区が共同で運営する「粗大ごみ受付センター」では89台ある電話がなかなかつながらない。
増える粗大ごみ
  「ごみを引き取ってほしい」。都民からの電話は4月以降前年を上回り、7月は約12万6千件と前年比12%の伸びを記録した。「冷蔵庫や洗濯機などの白物家電に加え、ワープロ、パソコンなどのごみが増えてきた」(東京23区清掃協議会)のが最近の傾向だ。
  「粗大ごみの増加は大型耐久消費財の買い替えが起きている証拠」とさく
ら証券の宅森昭吉チーフエコノミストは観察する。日本電気大型店協会によると、6月のパソコンの販売台数は前年同月より67,2%増加した。冷蔵庫、洗濯機も1%強増えた。
  家計にはかすかに3つの追い風が吹いている。
  まず耐久消費財が買い替え期を迎えつつあることだ。7月の新車販売台数は前年比0,9%減と3ヶ月ぶりにマイナスとなったが、「登録をする陸運局の稼働日が1日少なかったためで、実質は4,1%増」(日本自動車販売協会連合会)。車種別の販売台数も本田技研工業のミニバン「オデッセイ」がトヨタ自動車の小型車「ヴィッツ」を6月に始めて上回り、比較的値段の高い車にも動きがある。

−後略−
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
読紙感想文
  
可処分所得に占める耐久消費財の支出額の割合を時系列でとってみると、上昇と下降を順番に繰り返しているのが分かります。これは、「アリ⇔キリギリス」という流行要因のシーソーの上がったり下がったりと耐久消費財への支出額に強い相関があっるからです。
 
  流行要因のほうは一定の周期で循環していますので、それと強い関係のある耐久消費財の支出額にも、ゆがんではいますが循環が表れます。
 
  以前、お客様の部長さんの自宅に招かれたとき、居間に大きくて高そうな新品のテレビが置いてありました。「すごいですね〜」と感心すると、「いやぁ、今まで使っていたテレビが調子が悪くてね。」とてれていました。
 
  あなたん家のテレビが調子悪くなったら、あなたはどうしますか。
1、我慢して使い続ける。
―――76――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ

 
 
 
 

−市場予測 77段目−
2、修理を頼む。
3、新しいテレビを買う。
 
  物事を長期的に考えない、セツナ主義のキリギリスが支配している時期の消費者は、このうちの3番を選ぶ人が増えます。だって、古いテレビを見ているより、新しいテレビのほうが楽しいじゃないですか。
 
  3番の「新しいテレビを買う」を選択するとフトコロが寂しくなりますけど、先のことを考えないキリギリスの時期ですので気になりません。
 
  あなたがテレビを買い替えることにしたとして、どんなテレビを買いますか。
1、最低限の機能だけを持った低価格なものにする。
2、今まで使っていたものと同等か、ちょっぴりバージョンアップしたものを買う。
3、超豪華なデラックステレビを買う。
  
  物事を長期的に考えない、セツナ主義のキリギリスが支配している時期の   
消費者は、このうちの3番を選ぶ人が増えます。だって、しけたテレビよりデラックスなほうが楽しいじゃないですか。
 
  3番の「豪華なテレビを買う」を選択すると財布が軽くなりますが、セツナ主義のキリギリスの時期ですから気になりません。
  
  先ほどの部長さんですが、豪華テレビを買ったのは、ちょうどこの新聞記事が出たころでした。
 
  セツナ主義のキリギリスが支配している時期は、耐久消費財が売れますが、そのなかでも超豪華なもの、楽しいけど無くてもすむもの、割高な価格のものが売れます。マンションなら億ションですし、乗用車なら、スポーツカーやスリーナンバー車です。家電なら、冷蔵庫や洗濯機のような、今の人にとって必需品になってしまった白物家電より、あればうれしいけど無くても生活に困らないAV家電の方が売りやすくなります。
  衣料品でも、バブル時代に入るちょっ 
と前に、高いものから売れていくということを経験しましたね。
 
この文 03年8月3日 記
 
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      講演    
―――77――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  

 
 
 
 
 

−市場予測 78段目−
(新聞切り抜き)
日本経済新聞97年5月4日付より
ウエーブ
 
文芸書ヒットの
       舞台裏

人集中し、二極分化も

 
 近ごろ、ベストセラーに異変が起きている。田辺純一著『失楽園』、妹尾河童著『少年H』、柳美里著『家族シネマ』……。売れなくなったといわれて久しい文芸書に、大ヒットが多発しているのだ。ひょっとしてこれは、文芸書復活のきざしなのだろうか?好調の背景を探ってみた。
       □      □
 発行部数を見てみよう。『失楽園』は上下巻合わせて百五十万部。『少年H』は同じく上下で八十一万部。ミリオンセラークラスの本が同時に二作、出ている。また、『家族シネマ』が二十三万五千部など、芥川賞受賞作品も例年実績の二
倍以上の売れ行きだ。
―中略―
しかし実は、文芸書全体に活気があるわけではない。日販経営相談センターが全国百四店を対象に行った調査によると、文芸書の売り上げは九十四年からこの二月まで、前年比九〇%台と停滞を続けている。メガヒットと売れないものに二極分化しているのだ。
 出版科学研究所箱の現象について、「皆が話題の本にばかり飛びつく傾向が、どんどん強まっている」と分析する
―中略―
(文化部 笹田久見子)
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇

 「メガヒットと売れないものに二極分化して」いますし、「皆が話題の○○にばかり飛びつく傾向が、どんどん強まってい」ます。「評判になった○○ばかりが売れる」傾向が強くなったのは『同一視』の流行がきているせいです。
 
この文、「モード工学の視点から新聞記事を解釈するV(97年6月10日付)」より05年10月23日転記
 
 
 この記事は96年から97年にかけての流行現象を話題にしています。でも、これとよく似た話を我々はちょっと前までしていましたよね。
 
  この記事の7年後にあたる03年から04年にかけてもこれとよく似たことが起こりました。やはり当時も話題になった本ばかりが売れる現象がありました。それまでのヒットの記録をぬりかえた芥川賞受賞作の「蹴りたい背中」や「蛇にピアス」、今でも売れ続けている「バカの壁」、映画もヒットした「世界の中心で愛
読紙感想文
 出版物の発行部数は、信用できる統計数字が公表されています。それで判ることは、ある特定の本に人気が集中していることです。
 ファッション業界には信用できる統計数字がありませんが、同じことが起きています。
―――78――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  

 
  
 
 

−市場予測 79段目−
を叫ぶ」などなど、やはり当時と同じように、「皆が話題の本にばかり飛びつ」く現象が起こっていました。
  
 他人と同じことがしたくなる同一視の活性期には、売れるものと売れないものに2極分化します。それで企業は、メガヒットしているものにエネルギーを集中させた方が儲かります。
 
  現在は、同一視とは逆の対立視の活性期になっています。この時期は、メガヒットする商品が無くなるかわりにプチヒット商品が大量に現れます。こういうときには、販促費をじゃんじゃんかけて大量に売り込もうとするとコスト割れを起こします。今は、大量に売ることよりも多種類を売ることを、売り続けることよりも新鮮なものを小刻みに出すことを考えるべき時期です。
 
この文 05年10月23日 記
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     講演
  
 
 
(^^♪(^^♪ ちょっと脱線(^^♪(^^♪
 
  先日、ブログいかに生かすかというテーマのミナーを受講しました。
 
  ブログの良さは以前からわかっていたんですが、講義を受けた後もいまいち導入に踏みきれません。
 
  ブログは書籍やメルマガなどと違って、見る人と作る人がはっきり分かれていません。見ている人の多くが、作っている人でもあるんですね。これって、株や土地と同じですよね。供給が増えると需要も増えてしまうという点が似ています。株転がしや土地転がしのようにブログ転がしが起こりやすいと思うんです。
 でもこういう需要は、ブログを見たいから見ているんではなくて、作りたいから見ているんですから、見かけだけの中身のないバブルです。いつかははじけます。
 
  ただ、ブログのほうが更新が楽なのは確かなわけですから、この「読紙感想文」のページだけでもブログへ移した方がいいかもしれません。
  

 
(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪
―――79――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  
 
 
 

 
 
 
 
 
 

−市場予測 80段目−
(新聞切り抜き)
日本経済新聞96年7月1日付より
一刀両断
 
経済構造に
    変化のうねり


統計、
   消費中心の成長示す

野口 悠紀雄
 
  先般発表された国民所得統計の速報は、さまざまな点で興味ある内容を含んでいた。
ー中略ー
〜95年度の計数には、これ以外にも興味ある点が多かったのである。
  第一は、輸入が驚異的な伸びを示したことだ。実質伸び率は、実に15,1%となった。第二は、GNP(国民総生産)の実質成長率(2,4%)が名目成長率(1,9%)を大幅に上回ったことである。第三
は、個人消費の伸び率がGNPの伸び率を上回ったことである。
  これらは、95年度に初めて生じたことではない。しかし、ここ数年の傾向がより強まっていることを示している(輸入は94年度も高い伸びを示したが、95年度はそれを上回った。94年度も実質成長率の方が高かったが、95年度ではその差が拡大した。なお、第三点はここ数年続いている傾向である)。〜
−後略−
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
する要因の1つではあります。
この文 96年7月9日 記、このウエッブに03年7月28日転記
  
  
   このキリギリスの流行要因以外にも、景気の良し悪しに関係する流行要因がいくつかあります。それらはそれぞれ規則的な循環を持っています。
 
  それ以外にも、私がまだ発見していない流行要因が、景気変動と相関を持っているかもしれません。その流行要因も一定の周期で循環しているはずです。
  
  こういう、景気と相関をもつ流行循環は、それぞれは一定のサイクルですが、全部周期が異なりますので、それを合成したものは一定の周期を持ちません。
  
  それと、経済は流行循環だけで決まるわけではありません。経済構造の変化は循環しません。
  
  しまったと思っても、作ってしまった工
読紙感想文
  『キリギリス』の時代には、消費者は刹那的に考えるため財布の口が開きます。財布の中身が多いときも少ないときも、それなりに消費が増えてきます。ある人の消費は、他のだれかの収入です。つまり、刹那主義⇒消費の拡大⇒収入の増大、という連鎖があります。
  
  もちろん、『キリギリス』だけで景気のよさが決まるわけではありません。決定  
―――80――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ

 
 
 
 
 

−市場予測 81段目−
場は消しゴムで消せませんし、不良在庫は、処分するまでは残ったままです。50年前の繊維産業は輸出産業でしたが、今は輸入産業です。これが循環して、50年前に戻るかというと、常識でわかりますね。それはない。
  
  循環して戻るのは、人間の頭の中の生理現象(本能)だけです。経済現象は全体では元に戻りません。経済現象にサイクルがあるのはたしかですが、単純ではありません。
  
  経済学者にも、循環論を支持する人がいますが、必ずしも予測に成功していません。それは、各流行要因が別なサイクルを持っていることと、それだけで経済現象が決定されるわけではないことの両方の理由からです。
  
  とは言うものの、これはトップページの総論でも言いましたが、循環要因による変化まで構造要因で説明しようとする傾向が、マスコミ関係者や学者には多いようです。     
この文 03年7月28日 記
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(^^♪(^^♪ ちょっと脱線(^^♪(^^♪
 
  森田洋一です。去年、IFF(インターナショナル・ファッション・フェア)を見てきました。今年からは場所が変わりましたが、去年は家の近所なので助かりました。仕事の都合ですぐには行けなくて、見たのは3日目の午後になりました。
  
  そのせいでしょうか、担当者がヒマそうにしているところが多かったです。お客さんは通路を歩いているだけでなかなか中へは入りません。特に小さなブースがだめですね。
 
  ブースの中から担当者が通路をにらんでいます。これでは、中に入るどころか、立ち止まっただけで、売込みをかけられそうです。みんな怖くて近づけません。通路の真ん中を歩くほかなくなります。
  
 
  とはいっても、小さなブースの場合、担当者が隠れるところがありません。どっち向いていたって、何していたって目
立っちゃいますもんね。
 
  だったらどうしたらいいのかってことでくけど、そういう場合、いっそのこと、子供だましの景品でも出して、お客さんになりそうもない野次馬を集めたらどうでしょうか。どうせ客になりそうもないと思えば、顔のこわばりも取れます。そこいらじゅう部外者だらけにすれば、その中に担当者が隠れることができます。
 
  そうなれば、本当の見込み客もゆっくり商品を見れるでしょ。
 
  景品はすぐに渡しちゃだめですよ。渡したらすぐに居なくなっちゃいますから。包んだり、刻印したりして時間をかせぎましょう。半製品を用意しておいて、その場で完成させてから渡すというのもいいですね。

(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪
―――81――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ

 
 
 
 

―市場予測 82段目―
(新聞記事切抜き)
繊研新聞92年7月11日6面より
売れ筋マニュアル
傾向と対策

○関西レディスカジュアル○
          パルチザン調べ
―中略―
納得しないと買わない消費者
  ヤング消費者のシビアな目が怖い? シンプル志向が続いている中、はんらんするコピー商品からは低価格のものを選び、少し価格が上がると、「これは何通りの着こなしができますか?」とわざわざ店員にコーディネート展開をたずね、納得すれば買うなど、手堅い買い方、ショップ側では、こんなヤングの現象にとまどっている様子。売れにくくなっている現状、今までうるさがられていた接客だが、今以上に接客を重視しているところが見られる。

温故知新
  全く新しいことは起きない

             (パルチザン)−−−−−−−−−−−−−−
日本繊維新聞92年7月27日付10面より
ニュー40代の台頭
適時・適品がキー
  
  今春夏、百貨店の婦人服売り場で目立った購買傾向をいくつか挙げてみたい。
―中略―
  次に、ここ数年言われている現象だが、まとめ買いがなくなったこと。単品を厳選しながら一品だけを買う。価格にも一段とシビアな見方をするようになってきた。当然ながら一人の顧客に対する接客時間は長くなっている。
  良品適価を求める顧客意識は定着。衝動買いは激減しているし、〜
―以下略―
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆
読紙感想文
  消費者の購買行動の傾向を決める流行要因は、抽象的な概念のものだけでもいくつかあります。なかでも重要な要因に「アリ」というのがあります。イソップ物語の「アリとキリギリス」に出てくるアリです。
  
  アリの時期の消費者は、物事を長期的に計画的に見るようになっています。そのため、将来に備えて現金を、現金のままか現金に戻せる形で保持しようとします。ですから、自分のサイフからお金が出て行くことに強く抵抗します。つまり渋ちんになります。使わないですむことにはお金を使わないようにしますし、使う場合もなるべく小額で済まそうとします。
 
  購買選択がシビアになります。価格抵抗が強くなります。商品の購買選択の基準のなかで、価格の占める重要性が増します。
  
  こういう事態に直面すると、経営
―――82―――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  
   

 
 
 
 
 

−市場予測 83段目−
者はたいていあわてますが、どうってことはありません。他社よりも、ライバルよりも対策が遅れればピンチですし、先手を打てればチャンスです。そういう意味では他の流行となんら変わりません。
  
  最悪なのが、遅すぎる反省をした場合です。消費者が価格に抵抗している時期に強気の価格設定を続け、アリの時期が終わって価格感度が落ちてきたころに安売りを始めます。粗利は落ちるわ、店やブランドの信用は無くなるわでガタガタになります。
  
  消費者の価格感度の上昇を無視して、値下げや値ごろ品の開拓に抵抗するのも、その流行が終わったころにあわてて値下げするのも動機は同じで、売り上げ減に対する恐怖です。
  
  とくに低価格に路線を転換するころには恐怖がピークになっていますので、冷静な判断が難しくなっています。マスコミが安くしないと売れないと騒ぐ時期とも一致していますから、なおさら判断を誤
りやすくなります。
  
  なぁんちゃって偉そうなことを言っていますが、もし、流行を前もって読めなかったとすれば、私もおんなじことをしそうです。最悪の選択をするかもしれません。
  
  逆に言うと、前もって分かっていたなら、誰だってパニクることはありません。その流行が好きか嫌いかは別ですけどね。
  
この文 03年8月18日 記
  
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      講演 
(^^♪(^^♪ ちょっと脱線(^^♪(^^♪
 
  小学6年の息子は理科が嫌いです。コイツ俺とは違う頭の構造しているしているのかなと思いましたが、どのへんが嫌いなのかと聞いたら化学系だと言います。力学のほうは好きなようです。
  
  だったら、私と同じだわと思いました。小学校のころの化学って暗記物ですから、私も嫌いでした。
  
  私の甥は国語が好きだといいます。このときも、父親である私の弟とは違う頭の構造かと思いました。弟は私と同じ理科系だからです。
  でもよく聞くと、好きなのは長文読解で書き取りは嫌いだと言います。だったら、弟や私と同じです。
 
  同じ科目でも、私らが子供のころとは、教える側が力を入れているところがだいぶ違うようです。それで好きな教科が違って見えます。
 
(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪
     
―――83――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  
 
 

 
 
 

−市場予測 84段目−
(新聞切り抜き)
繊研新聞87年7月24日付より
視点

百貨店の攻勢

  このところ婦人服の分野では、百貨店の売り上げの伸びが専門店のそれを上回って好調である。同じ専門店でも、百貨店に出しているインショップと、ファッションビルに出している店などでは、この春夏商戦の売上高の伸びに大きな差がついており、当然のことながら百貨店のインショップのほうが好調なのである。  
  百貨店の時間延長もあるが、マーチャンダイジング力のアップ、自社カード発行、催事など集客力の差など総合力で、専門店やその寄せ集めのファッションビルを上回りつつあるのだろう。「専門店は勉強不足だ」と反省の声が聞かれるようになり、「ファッションビルは、個々の専門店の力はあっても、それが
総合力として発揮されていない。ビルとしての魅力がなくなりつつある」という指摘もある。
  最近、専門店でもオリジナル商品の企画開発を進めており、その商品を他の小売店にも卸し販売するケースが見られるが、その展示会には百貨店のバイヤーが集団で来ているケースが多い。「こんなところにまで」と思うのだが、それだけ百貨店の取り組みが真剣なのだろう。専門店ならではの商品企画開発、店作りがますます要求されるようになってきた。
                     (健)
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
てどうすんだいという作りで、この百貨店ができたときは、ビックリするよりあきれました。バブルしてるなぁって思いました。
  
  案の定、お客さんが入らなくって、衣料品売り場なんか土日でもガランとしていて、広い売り場がよけい広く感じられました。
  このところ、対前年比の売り上げがプラスなものですからマスコミに好意的に取り上げられることが多いんですが、当たり前じゃん、最初が悪すぎたんだから。
  
  ツンとすました売り場を縮小して、家電のディスカウントストアを入れたら、そこが客を呼んでくれたということです。高級で格式ばった売り場に客が来るようになったわけではありません。

  バブル崩壊以降、これと似たような話はあちこちの出張先で聞きます。豪華で高級感があり、格式ばってる売り場や商品が市場にあふれてしまい、その後始末にみんな七転八倒しました。それを象徴していたのがそごうデパートの転落で      
読紙感想文
  あなたは、百貨店派ですか。ファションビル派ですか。僕はファッションビル派です。どうも百貨店はお高くとまっている感じがして好きになれません。へんなとこで格式ばっています。値段も高いしね。
 
  ウチの近所にも大きな百貨店があります。でもこれが分不相応というか、こんな立地で都心の百貨店のまねなんかし 
―――84――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  

 
 
 
 

−市場予測 85段目−
す。
 
  格式と高級感のバブルが崩壊する前には、当然そういうものが足らなかった時期があるわけで、だからバブルが膨らんだんです。この新聞記事が話題にしているころがちょうどそのときでした。
  
  話を百貨店とファッションビルの比較にもどしましょう。
 
  あくまで相対的な話、平均の話ですが、百貨店のほうが、客の平均年齢が高く、エレガンス寄りで、ブランド物が多く、豪華で、値段も高めです。
  
  これが、僕が百貨店を好かん理由ですが、でもそれがいいんだなぁっと言う人もいるわけで、ビジネスとして考えたときに、どちらが絶対的に優れているとは言えません。そして、こういう売り場の個性にも流行があって、百貨店の個性を支持する人が増える時期とファッションビルの個性を支持する人が増える時期とがあります。
 「アリ⇔キリギリス」という流行要因があります。キリギリスの時は人々は長期的に物事を考えなくなります。セツナ的に行動しますので、高級高価格品が売りやすくなります。
 
  「自由⇔束縛」という流行要因があります。束縛の時は人々は約束事にうるさくなりますので、格式ばった売り場や、エレガンスな商品を支持します。
 
  当時はキリギリスの時期であり、また束縛の時期でもありました。それで、百貨店のほうがファッションビルより相対的に支持されました。
 
  現在は、当時とは逆で、アリと自由が重なって流行しています。百貨店がファッションビルに比べて相対的に不利になっています。それで、客の流出が起こっています。
  

この文 03年8月9日 記

  
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      講演  
―――85――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ  

 
 
 
 
 

−市場予測 86目−
(新聞切り抜き)
繊研新聞81年6月9日付より
量販店向けシャツ

ベターゾーン
        
開発進む

今秋冬20%増の計画
秋からは三ブランドも
カジュアルを拡充

  【大阪発】量販店を主販路とする大手シャツメーカーの間でドレスシャツのベターゾーンとカジュアルシャツを強化する動きが目立っている。量販店各社がシャツ分野で “高級品”とベターゾーン(小売価格3,500-4,500円中心)拡大に乗り出し始めたのは昨年からで、こうした市場動向に対応しようという作戦である。
  
  カネタシャツの量販店向け別会社カレン(本社大阪)は今秋冬物から「バロン・フォン・カレン」のネーミングでヨーロ
ピアンを意識したソフトエレガンスのドレスシャツを新発売するとともに、カジュアル分野でも“ヨーロピャンライン”意識したソフトエレガンスのドレスシャツを新発売するとともに、カジュアルシャツ分野でも“ヨーロピャンライン”の企画を一新した「ウイークオフU」の拡充をはかる計画である。
  カレンは量販店シャツ市場の中で最近、量販店各社が力を入れている“ベターゾーン”を主力に展開しており、今秋冬物も前年比10-20%増と積極策でのぞんでいる。ドレスシャツ企画で「バロン・フォン・カレン」のソフトエレガンスタイプを新たに打ち出したのも、ベターゾーン指向の一環。〜
−後略−
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  我々は、雨が三日も降り続けると、次の日も雨だと思ってしまいます。第三者の立場からみれば、三日も降ったんだからそろそろ晴れるだろうと考えたほうがいいと分かるのですが、自分が当事者の場合は、なかなかそうは思えません。とくに、その判断にリスクがある場合はなおさらです。
  
  市況判断も同じで、ある状態が続いたあとでは、そろそろそれがひっくり返るとは、当事者にはなかなか思えません。それまで続いた状態がこれからも続くと考えたほうが、大きく変わると考えるよりも安心なのです。
  
  スソ物価格が苦戦、価格を下げると苦戦、おっかなびっくりで付けた高めの価格が好調。他社も低価格ゾーンが苦戦、ベターゾーンが好調。…ということを何年も繰り返し経験すると、高級ゾーンやベターゾーンへシフトすることの不安感や恐怖心が薄れてきます。そうしないでいることの不安感や恐怖心が強くなってきます。
      
読紙感想文
  人間は安心を求めます。安心は同じ経験の繰り返しと正の相関を持ちます。それで、我々は、直近の過去の経験に強く支配されます。  
―――86――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ

 
 
 
 
 

-市場予測 87段目−
  
  そうすることの不安が、しないでいることの不安より弱くなった時点で、業界全体が雪崩を打ったように、ベターゾーンシフトを大胆に進めはじめます。
  
  この行動は、その時点での市場の変化に反応しているのではなくて、直近の過去に経験したことの累積に反応しているわけですから、その時点ですでに時代遅れになっています。サインカーブの積分はやはりサインカーブですが、ピークが1/4周期遅れるのと似ています。
  
  実需(消費者の購買)の変化から大きく遅れて膨らんだ仮需を埋めるだけの実需がすでにありません。つまりバブルです。
  
  価格帯変動の実需と仮需の関係でみられる時差は、人間の頭の生理(本能)と関係していますので、他のすべての流行でも観察できます。
 
  生理現象ですので、コンピューター
や情報理論では、人間が介在している限り解決できません。あなたの会社の社長や専務が、コンピュータープログラムに取って代わるなんて、想像できますぅ?
この文 03年7月27日 記

  
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     講演 
 
 
 
   






所長 森田洋一への直行メールです。ご意見ご感想ご質問などございましたらお教えください。気楽にどうぞ。
m@e-yosoku.com




          
 
 
 
 
 
 
 
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―――87――――――――――――――――――――――――――――ファッション予測へ

 
 
 
 

新聞切り抜き
'02年3月30日付 日経流通新聞より 読紙感想文
古着風・微妙な色濃淡…
ベビー服大人の流行映す
質感・デザイン性を重視

  団塊ジュニア世代が出産する年齢に差し掛かり、ベビー服に大きな変化がおきている。古着風など大人の流行をそのままに反映した商品が売れ始めたのだ。高度経済成長の達成後に生まれ、豊な消費環境の中で育った団塊ジュニアの求める子供服は、従来とはひと味違うようだ。
(伊藤忠ファッションシステム 川島蓉子)

  ヴィンテージ(古着)風のジーンズにセクシーなプリントが施されたTシャツ、最新流行を取り入れた衣料品が並ぶ。大人向けの店ではない。アパレルメーカー、リトルアンデルセン(東京・渋谷区)が販売する子供服だ。
  これまで子供服と言えば、身動きが楽なカジュアルなものか、子供らしいものが多かった。最近、売れ行きを伸ばしているのは、大人服の流行をそのまま反映した商品だ。大人向けの服を扱っていた店も、こうした需要に目をつけ、続々とベビー服に参入してる。
  3月1日には、新宿の高級専門店[バーニーズ ニューヨーク新宿店」が開業以来の大幅改装を実施、9階にベビー用品売り場を初めて設けた。「大人の服と同等の質感やテーストを持ったベビー服が市場になかった」と、商品部バイヤーの佐野陽子氏はベビー用品新設の狙いを説明する。
  例えば、同店で扱う「プー・アンド・ザ・ダック」のワンピースは、この春の大人服の流行を加味して、薄手の綿素材にロマンティックな刺しゅうが施してある(2万5000円)。オープンして1ヵ月程度だが、品薄になる人気ぶりだ。「マリオン・フォール」のカーディガンも1万5000円と高額にもかかわらず、よく売れているという。
  伊勢丹新宿店本店は3月7日に改装し、ベビー・子供用品売り場の海外ブランドを拡充した。改装テーマは「親子三代の店作り」。大人風の子供服が売れている最新トレンドにすかさず対応したのだ。
 〜略〜
  子供服が大人の服の模型のようになる時期があります。違っているのはサイズだけ。あとは大人と同じ。そんなおしゃまな子供服がたくさん売れます。

 子供服が子供服らしさを強調する時期もあります。子供服はやはり子供服らしくなくちゃぁね、とみんなが考えます。子供服らしさのこだわりから外れたデザインは売りづらくなります。

  子供服は、大人っぽくなったり子供っぽくなったりを交互に繰り返しています。今年は、子供っぽい子供服が売れる年です。購買選択権がジジババにある場合は大人っぽい子供服が売れる場合もありますが、母親が買う場合にはすでに、大人の模型服は売れない時期に入っています。

  これは子供服に限りませんが、シーズン初期は古い売れ筋が一時的に復活します。それで、売上数字を機械的に信用すると、シーズンの立ち上がりは去年の流行が続いているように見えますので、大人の模型服がダウントレンドになっていることが分かりにくいかもしれません。でもそれはシーズンの初めだけです。。4月、5月、6月とシーズンが深まってくるにつれて、大人の模型の子供服は売れなくなります。

  大人のデザインの子供服の勢いが鈍ってきたのは去年(‘01年)の夏ごろからです。人間は現状認識を変えるのを嫌いますので、実需が鈍ってきたのにもかかわらず仮需は強気のままでした。去年の夏以降、大人デザインの子供服やベビー服は、実需の裏付けのない業界思惑だけの人気になっていきました。つまり、バブルです。今年はバブルが崩壊して、方向転換と後始末で苦しむ年になります。

  この記事に、大人風子供服の成功例として、伊勢丹本店ベビー子供服売り場の海外ブランドが出てきます。その説明の写真に「売り上げ2割増と好調な伊勢丹新宿店の『ボンポワン』」とありますが、写真に載っている売り場の正面に出ているマネキンはベビーピンクのカバーオールを着ています。ベビーピンクのカバーオールを大人は着ないと思います。あなた、着ますか。これを着るのはやはりベビーだけでしょう。ボンポワンはベビー服らしいデザインのベビー服を売っているのです。

  話を大人風の子供服の話に戻しますと、そういう物が売れている時期には、子供風デザインが大人の服に進出するという流行も起こります。サイズでも子供服風の流行はあって、ボディコンのピチピチ服の流行と重なったときは、ヤングが子供服をわざと着るようになります。
'02年6月5日記
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新聞切り抜き
'01年11月15日付 日本経済新聞夕刊より 読紙感想文
ファッションに旅行に
母娘で緩めて財布のひも
業界、熱い視線

  40〜50代の母親に、20〜30代の娘。友達感覚で行動を共にする母娘連れが増える中、彼女たちを狙ってファッション業界や旅行業界がしのぎを削っている。2人だと財布のひもが緩むため、関係者は「マザー・アンド・ドーター」市場と呼んで特別扱い。最近ではその孫の世代も取り込もうと「3世代」向けの商品も出始めた。
〜略〜
  母親と娘のように、異なる市場で同じようなものが売れるのは、私が「開放系」と呼んでいる流行です。「開放系」の流行期には市場間の差異が小さくなります。

  子供服では、デザインが大人っぽくなります。大人の服を小型にしただけのデザインが売れます。逆に、いかにもこどもこどもしたデザインは敬遠されます。

  ミセスやシニアミセスの服では、ヤングやヤングミセスと共通のヒット商品が増えます。色も素材も付属もみんな同じ、違うのはサイズだけという服が、マスで売れるようになります。

  男の子とおんなじ格好の女の子が大勢ストリートを闊歩するのも、開放系の時期の特徴です。メンズっぽいスポーツブルゾンやTシャツ、シャツブラウスにジーンズ、足元はスニーカーなんて娘が大勢歩いていましたね。この流行を今回は「ボーイズ」と呼んでいました。

  男が女っぽい格好をする「ガールズ」もやはり流行しましたが、男が女の格好をするのは女装趣味といってタブーになるので、とっても小さな流行になりました。花柄やオレンジ色を着る「ガールズ」風味程度でしたら、大量に売れていました。

  この「開放系」の流行は、ヤング市場ではすでに終わっています。ミセス市場やアダルトメンズ市場でも終わるのは時間の問題です。
  まだまだこれからも続くように見えるのは、仮需と実需を混同しているからです。

  記事にある「関係者は『マザー・アンド・ドーター』市場と呼んで特別扱い」の関係者ってのは、一般消費者のことではありませんよね。この記事に出てくる「関係者」の具体例は、プランタン銀座、レナウン、ワールド,JTBです。つまり、業者の期待の流行が続いているのです。

  今までやっていなかったサービスを始めたり、割引したり、プレゼントしたりすれば、『評判も良く」なり「人気を集め」るのは当たり前でしょう。
'01年11月21日記
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新聞切り抜き
'01年10月25日付 繊研新聞より 読紙感想文
しなやか、自然なムラ
脚光浴びるジンバブエコットン
  アフリカ南東部の内陸国、ジョンバブエ。ここで栽培される綿が注目されている。有機栽培、手摘みということで量産されているわけではないが、しなやかで、やわらかく、品質の高さが評価されている。糸そのものに自然なムラがあるため、洗いをかけて独特の色落ち感を出したジーンズが市場に出ている。秋冬物で企画したアパレルメーカーも多く、生産が追いつかないほど売れているというブランドもある。
  〜略〜
  素材の流行は、原料とその加工方法で語られることが多いのですが、原料や加工方法は消費者にとってはあまり重要ではありません。

  重要でないという意味は、消費者に、買った理由、買わなかった理由を聞いたときに、原料や加工方法の話がでてこないということではありません。行動を起こした後の消費者は、自分を正当化させる理屈、自分を安心させる理屈、他人を納得させる理屈を欲しがっていますから、その理屈のための理屈として、原料や加工方法の話をしたがります。とくに、中高年の場合はそうで、原料の話をとりわけ熱心に語る人もいます。

  でも原料や加工方法は、消費者が現実に行っている購買選択の基準としては重要ではありません。
   
  消費者が、実際の買い物で、購買選択のものさしとして重視しているのは、素材に関してはその感覚です。見てくれ、触った感触、持った感じが重要です。

  ジンバブエコットンは、柔らかくて自然なムラがあります。その特徴が流行しました。

  自然なムラのある素材は、ジンバブエコットンでなくても、今まで売れていました。また柔らかい素材は、ジンバブエコットンでなくても売れていました。柔らかくてしかも自然なムラのあるジンバブエコットンが売れるのは当然です。

  流行の各要因からみると、今夏のジンバブエコットンは、ヤングレディスですでにダウントレンドに入っています。上昇中に見えるのは、仮需が急拡大しているからです。
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新聞切り抜き
'01年8月4日付 日経新聞より 読紙感想文
ヒットの裏側 動物の写真集ブルーディブック

  動物のユーモラスな姿を集めた写真集「ブルーディブック」シリーズが売れている。2000年11月に出版した青い表紙の1冊目「ブルーディブック」が55万部、今年6月末に出版した赤い表紙の「ディア マム」も10万部を突破した。
  本の特徴は写真と文章の組み合わせの妙にある。動物の様様な動作や表情を擬人化し、「癒(いや)し」のメッセージを込めた文章とともに一枚一枚見せる。例えば、木の上で休んでいるライオンの写真に「全然元気なんか出ない」という一文。あたかも動物が本当にそう言っているかのような錯覚さえ覚える。
  〜略〜 読者は女性が8割で、20代が中心。「寝る前に何度も読んでいる」「プレゼントに送りたい」といった感想が寄せられているという。
  〜略〜
  モノクロ「写真と文章の組み合わせの妙」で人気が沸騰したものに、写真週刊誌というジャンルを作ったフォーカスがあります。先ごろ廃刊になりましたが、初期のころのフォーカスはブルーディブックに似ていました。
  近い例では、カラー写真ですが、'99年に写真と文章の組み合わせでヒットした本に、幕内秀夫の「粗食のすすめレシピ集」があります。
  前回の流行期では、エッセーと料理の写真を組み合わせた、栗原はるみの「ごちそうさまが、ききたくたて。」がありました。92年にヒットしています。
  もっと以前にもどると、毎日グラフのような写真雑誌が人気だった時期もあります。写真集の流行は過去に何回も来ています。

  写真集のヒットは具象の流行と強い相関があります。

  転写(具象)プリントのTシャツを考えると、それを見た人の頭の中で、Tシャツのイメージと、プリントが描いているもののイメージがいっしょに重なります。全く別なもののイメージが混ざります。
 
  銅像を考えても同じことで、上野の西郷隆盛の銅像を見ると、我々は西郷さんを見たつもりになりますが、実際に見ているのはブロンズの塊です。西郷隆盛とブロンズの塊が、見た人の頭の中で共存してます。

  本物の西郷隆盛は具象ではありません。
  リアルさというてんでは銅像の西郷よりはるかにリアルです。何しろ本物ですから。
  でも、銅像と違って別なものとのイメージの混合が起きませんので、具象ではありません。
  具象とよばれるものでは、表現しているものと表現の手段として使っているものが別です。

  前回の具象の流行期にヒットしたものに、宮沢りえのふんどしカレンダーや、ヘアヌード写真集がありました。
  宮沢りえは、このカレンダーによってますます人気が上がりましたし、ヘアヌード写真集を出して大金を手に入れた人もいます。
 
  これとは逆に、ヘアヌード写真集を出して人気が下落した人もいます。同じことをやっても、タイミングが違うと逆の結果になります。

  具象のように「混ざる」流行を私は「開放系」と言っています。そばめしみたいに本当に混ざってしまう流行も開放系ですが、消費者の頭の中だけで混ざるものも開放系です。
  現在は、開放系とは逆の「閉鎖系」がヤングではすでにスタートしています。つまりこれからしばらくは具象の流行はお休みです。

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このページ最終更新 ’05年10月23日

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