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量販店向けシャツ
ベターゾーン開発進む

今秋冬20%増の計画 秋からは3ブランドも
カジュアルを拡充
 【大阪発】量販店を主販路とする大手シャツメーカーの間でドレスシャツのベターゾーンとカジュアルシャツを強化する動きが目立っている。量販店各社がシャツ分野で “高級品”とベターゾーン(小売価格3,500-4,500円中心)拡大に乗り出し始めたのは昨年からで、こうした市場動向に対応しようという作戦である。
 
  カネタシャツの量販店向け別会社カレン(本社大阪)は今秋冬物から「バロン・フォン・カレン」のネーミングでヨーロピアンを意識したソフトエレガンスの
   
ドレスシャツを新発売するとともに、カジュアル分野でものネーミングでヨーロピアンを意識したソフトエレガンスのドレスシャツを新発売するとともに、カジュアル分野でも“ヨーロピャンライン”意識したソフトエレガンスのドレスシャツを新発売するとともに、カジュアルシャツ分野でも“ヨーロピャンライン”の企画を一新した「ウイークオフU」の拡充をはかる計画である。
  カレンは量販店シャツ市場の中で最近、量販店各社が力を入れている“ベターゾーン”を主力に展開しており、今秋冬物も前年比10-20%増と積極策でのぞんでいる。ドレスシャツ企画で「バロン・フォン・カレン」のソフトエレガンスタイプを新たに打ち出したのも、ベターゾーン指向の一環。

 
(繊研新聞81年6月9日付より抜粋)
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
モード工学の森田洋一です。
人間は安心を求めます。安心は同じ経験の繰り返しと正の相関を持ちます。それで、我々は、直近の過去の経験に強く支配されます。我々は、雨が三日も降り続けると、次の日も雨だと思ってしまいます。第三者の立場からみれば、三日も降ったんだからそろそろ晴れるだろうと考えたほうがいいと分かるのですが、自分が当事者の場合は、なかなかそうは思えません。とくに、その判断にリスクがある場合はなおさらです。
 
市況判断も同じで、ある状態が続いたあとでは、そろそろそれがひっくり返るとは、当事者にはなかなか思えません。それまで続いた状態がこれからも続くと考えたほうが、大きく変わると考えるよりも安心なのです。
 
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−流行予測 2段目−
 
スソ物価格が苦戦、価格を下げると苦戦、おっかなびっくりで付けた高めの価格が好調。他社も低価格ゾーンが苦戦、ベターゾーンが好調。…ということを何年も繰り返し経験すると、高級ゾーンやベターゾーンへシフトすることの不安感や恐怖心が薄れてきます。そうしないでいることの不安感や恐怖心が強くなってきます。そうすることの不安が、しないでいることの不安より弱くなった時点で、業界全体が雪崩を打ったように、ベターゾーンシフトを大胆に進めはじめます。
 
この行動は、その時点での市場の変化に反応しているのではなくて、直近の過去に経験したことの累積に反応しているわけですから、その時点ですでに時代遅れになっています。サインカーブの積分はやはりサインカーブですが、ピークが1/4周期遅れるのと似ています。実需(消費者の購買)の変化から大きく遅れて膨らんだ仮需を埋めるだけの実需がすでにありません。つまりバブルです。

   
価格帯変動の実需と仮需の関係でみられる時差は、人間の頭の生理(本能)と関係していますので、他のすべての流行でも観察できます。生理現象ですので、コンピューターや情報理論では、人間が介在している限り解決できません。あなたの会社の社長や専務が、コンピュータープログラムに取って代わるなんて、想像できますぅ?
 
【この文2003年7月21日に記載】
 
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               モード工学代表 森田洋一
 
ご意見ご感想などございましたらお教えください。メールには代表の森田洋一が全部目を通しています.気楽にどうぞ。
 
mm@e−yosoku.com
 
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−流行予測 3段目−
視点

百貨店の攻勢

  このところ婦人服の分野では、百貨店の売り上げの伸びが専門店のそれを上回って好調である。同じ専門店でも、百貨店に出しているインショップと、ファッションビルに出している店などでは、この春夏商戦の売上高の伸びに大きな差がついており、当然のことながら百貨店のインショップのほうが好調なのである。  
  百貨店の時間延長もあるが、マーチャンダイジング力のアップ、自社カード発行、催事など集客力の差など総合力で、専門店やその寄せ集めのファッションビルを上回りつつあるのだろう。「専門店は勉強不足だ」と反省の声が聞かれるようになり、「ファッションビルは、個々の専門店の力はあっても、それが総合力として発揮されていない。ビルとしての魅力がなくなりつつある」という指摘もある。
  最近、専門店でもオリジナル商品の企画開発を進めており、その商品を他の小売店にも
   
卸し販売するケースが見られるが、その展示会には百貨店のバイヤーが集団で来ているケースが多い。「こんなところにまで」と思うのだが、それだけ百貨店の取り組みが真剣なのだろう。専門店ならではの商品企画開発、店作りがますます要求されるようになってきた。
                     (健)

 
(繊研新聞87年07月24日付より抜粋)
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
あなたは、百貨店派ですか。ファションビル派ですか。僕はファッションビル派です。どうも百貨店はお高くとまっている感じがして好きになれません。へんなとこで格式ばっています。値段も高いしね。
 
ウチの近所にも大きな百貨店があります。でもこれが分不相応というか、こんな立地で都心の百貨店の
   
まねなんかしてどうすんだいという作りで、この百貨店ができたときは、ビックリするよりあきれました。バブルしてるなぁって思いました。案の定、お客さんが入らなくって、 衣料品売り場なんか土日でもガランとしていて、広い売り場がよけい広く感じられました。このところ、対前年比の売り上げがプラスなものですからマスコミに好意的に取り上げられることが多いんですが、当たり前じゃん、最初が悪すぎたんだから。ツンとすました売り場を縮小して、 家電のディスカウントストアを入れたら、そこが客を呼んでくれたということです。 高級で格式ばった売り場に客が来るようになったわけではありません。
 
バブル崩壊以降、これと似たような話はあちこちの出張先で聞きます。豪華で高級感があり、格式ばってる売り場や商品が市場にあふれてしまい、その後始末にみんな七転八倒しました。それを象徴していたのがそごうデパートの転落です。
 
格式と高級感のバブルが崩壊する前には、
 
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−流行予測 4段目−
格式と高級感バブル崩壊当然そういうものが足らなかった時期があるわけで、だからバブルが膨らんだんです。この新聞記事が話題にしているころがちょうどそのときでした。
 
話を百貨店とファッションビルの比較にもどしましょう。あくまで相対的な話、平均の話ですが、百貨店のほうが、客の平均年齢が高く、エレガンス寄りで、ブランド物が多く、豪華で、値段も高めです。これが、僕が百貨店を好かん理由ですが、でもそれがいいんだなぁっと言う人もいるわけで、ビジネスとして考えたときに、どちらが絶対的に優れているとは言えません。そして、こういう売り場の個性にも流行があって、百貨店の個性を支持する人が増える時期とファッションビルの個性を支持する人が増える時期とがあります。
 
 「アリ⇔キリギリス」という流行要因
   
があります。キリギリスの時は人々は長期的に物事を考えなくなります。セツナ的に行動しますので、高級高価格品が売りやすくなります。 「自由⇔束縛」という流行要因があります。束縛の時は人々は約束事にうるさくなりますので、格式ばった売り場や、エレガンスな商品を支持します。当時はキリギリスの時期であり、また束縛の時期でもありました。それで、百貨店のほうがファッションビルより相対的に支持されました。
 
現在は、当時とは逆で、アリと自由が重なって流行しています。百貨店がファッションビルに比べて相対的に不利になっています。それで、客の流出が起こっています。
 
【この文2003年8月9日に記載】
 
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(^^♪ (^^♪ (^^♪ ちょっと脱線 (^^♪ (^^♪ (^^♪
 
小学6年の息子は理科が嫌いです。コイツ俺とは違う頭の構造しているしているのかなと思いましたが、どのへんが嫌いなのかと聞いたら化学系だと言います。力学のほうは好きなようです。だったら私と同じだわと思いました。小学校のころの化学って暗記物ですから私も嫌いでした。
 
私の甥は国語が好きだといいます。このときも、父親である私の弟とは違う頭の構造かと思いました。弟は私と同じ理科系だからです。でもよく聞くと、好きなのは長文読解で書き取りは嫌いだと言います。だったら、弟や私と同じです。
 
同じ科目でも、私らが子供のころとは、教える側が力を入れているところがだいぶ違うようです。それで好きな教科が違って見えます。
 
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−流行予測 5段目−
ストリートワンポイント

山がなくても着る
マウンテンパーカ

  “そこに山があるから登るんだ”という言葉があるが、はやりだから作るんだとばかり、マウンテンパーカの渦また渦。本来、その言葉の示す通り、登山用に使用するパーカのことで、機能的かつ実用に即し、さまざまな利点がある。
    〔・・・・・・〕
その価格帯も高価なインポート物から、リーズナブルな海外生産品まで幅がある。在庫がどれだけ市場に出ているか懸念されるほど。
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
左の文は、日本繊維新聞1992年01月27日付に載ったべんりこうぼう氏のリポートからの抜粋です。私がこの文を書いているのが2014年08月です。カジュアルの流行は12年周期ですから、べんりこうぼう氏のリポートは今から2周期前のトップカジュアルについてのものです。
 
流行には繰り返しがありますが、昔とほとんど同じ流行が来ているように見える場合でも、そのカジュアル度は前回と同じではありません。たとえば2011年ごろの3合目カジュアルのタイミングでニューバランスのスニーカーがヒットしましたが、それは私が若いころにはいたニューバランスと同じカジュアル度ではありません。同じデザインであっても違います。今のニューバランスは「歴史」「伝統」「クラッシック」などの概念が以前より強まっています。古い物の復活はエレガンスなのです。

   
ジーンズは私が若いころは若者しかはいていませんでした。カジュアル度が強すぎてオジサンオバサンがはくのは無理だったのです。当時はジーンズをはいてホテルに入ることができませんでした。ジーンズは汚くて下品だから入室禁止とフロントに拒絶されました。もちろん今はOKです。オジサンオバサンもはいています。まったく同じデザインであったとしても、そのカジュアル度は時代によって変化しています。もちろんエレガンスの方に変わっていきます。このジーンズが通った歴史を今はカーゴパンツが追いかけていますね。最近たまにですがカーゴパンツをはいたオジサンを見かけます。仕事着・作業着として、つまりワークユニフォームとして着るオジサンは以前からいましたが、カジュアルウエアとしてファッションとしてカーゴパンツをはくオジサンを見るようになったのはわりと最近のことです。このように同じアイテムでも時間がたつにつれてエレガンスの方に寄っていきます。

じゃぁ何でもかんでもエレガンス化していって、時代がたつにつれてだんだんカジュアルウエアがなくなって
 
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−流行予測 6段目−
しまうのか。無くなりませ〜ん。旧カジュアルウエアが抜けた穴を、新しいカジュアルアイテムが出現して埋めますのでご安心を。たとえばこのマウンテンパーカ−、名前のとおり登山用品です。同じころにヒットしたバスケットボールユニフォームのレプリカもスポーツウエア。ウインドブレーカーなどのアスレチックウエアも売れていました。私の娘は中学・高校生の時、体操着で学校から帰って来ることがよくありました。私が若いときには考えられなかったことです。このように、スポーツウエアのカジュアルウエア化が新カジュアルウエアの供給源となります。この場合、その時がトップカジュアルのタイミングだったら、本物のスポーツウエアがベストです。本物でなくても本物に近いものほどベターです。スポーツウエアふうレベルではカジュアル度が弱すぎますから。
 
マウンテンパーカーと同じころにヒットしたものにブラジャーもどきのビスチェがありました。シャツブラウスやTシャツはもともとはメンズの下着です。ドレスシャツの裾は前後が長くて両サイドが短くなっていますが
   
なぜだかわかりますか。又をくるむためです。下着のパンツがなかった時代には、ドレスシャツの裾はブリーフだったんです。つまり、ドレスシャツは下着だったんです。和服の着物はコテコテエレガンスですが平安時代までさかのぼると下着です。着物は下着でスタートして、次に狩衣(かりぎぬ)つまりスポーツウエアになり、それからカジュアルウエアになり、普段着になり、冠婚葬祭服になり、いまではエレガンス化が行き着いてしまって、着る人が激減するほどの究極コテコテエレガンスウエアになりました。このように下着も新しいカジュアルウエアの供給源です。
 
マウンテンパーカーより早くからヒットしていた物にユーズド加工ジーンズやウエスタンブーツがあります。ジーンズが金鉱掘りの作業着だったことはよく知られていますね。カウボーイブーツは牧場のワークシューズです。このように肉体労働者の労働着も新カジュアルウエアの供給源です。
 
軍服由来のカジュアルウエアもあります。
   
当時、マウンテンパーカーより先にヒットした米軍パイロットの軍服フライトジャンパーMA−1がその例です。ロングブーツは、今ではレディスのエレガンス店でも売られるくらいのエレガンスですが、もとは軍靴です。戦争映画を見ると日本軍やドイツ軍の将校がはいていますね。

当時は黒人ファッションが人気でした。米国では黒人は差別される側の代表です。さきほどの労働着の話とも関連しますが、下層階級の服も新カジュアルウエアの供給源です。トップカジュアルのタイミングになると、セレブたちが下々の服をよろこんで着るようになります。一時的にですけどね。というのはトップカジュアルは2年しか続かないからです。当時も、このあとエレガンス化が起こり、97年前後にトップエレガンスになりました。
(この文 14年08月26日 記載、軍服の話を14年09月08日に加筆)
【関連ページ】DCブランド、彼氏を魅了
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−流行予測 7段目−
売れ筋マニュアル 傾向と対策
○関西レディスカジュアル○
パルチザン調べ
   〔・・・・・〕

納得しないと買わない消費者

ヤング消費者のシビアな目が怖い? シンプル志向が続いている中、はんらんするコピー商品からは低価格のものを選び、少し価格が上がると、「これは何通りの着こなしができますか?」とわざわざ店員にコーディネート展開をたずね、納得すれば買うなど、手堅い買い方、ショップ側では、こんなヤングの現象にとまどっている様子。売れにくくなっている現状、今までうるさがられていた接客だが、今以上に接客を重視しているところが見られる。
 
(繊研新聞92年7月11日付6面より抜粋)
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ニュー40代の台頭
適時・適品がキー

今春夏、百貨店の婦人服売り場で目立った購買傾向をいくつか挙げてみたい。
   〔・・・・・・〕
  次に、ここ数年言われている現象だが、まとめ買いがなくなったこと。単品を厳選しながら一品だけを買う。価格にも一段とシビアな見方をするようになってきた。当然ながら一人の顧客に対する接客時間は長くなっている。

  良品適価を求める顧客意識は定着。衝動買いは激減しているし、〜
 
(日本繊維新聞92年7月27日付10面より抜粋)
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
消費者の購買行動の傾向を決める流行要因は、抽象的な概念のものだけでもいくつかあります。なかでも重要な要因に「アリ」というのがあります。イソップ物語の「アリとキリギリス」に出てくるアリです。アリの時期の消費者は、物事を長期的に計画的に見るようになっています。そのため、将来に備えて現金を、現金のままか現金に戻せる形で保持しようとします。ですから、自分のサイフからお金が出て行くことに強く抵抗します。つまり渋ちんになります。使わないですむことにはお金を使わないようにしますし、使う場合もなるべく小額で済まそうとします。購買選択がシビアになります。価格抵抗が強くなります。商品の購買選択の基準のなかで、価格の占める重要性が増します。
 
こういう事態に直面すると、経営者はたいていあわてますが、どうってことはありません。他社よりも、ライバルよりも対策が遅れればピンチですし、先手を
 
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−流行予測 8段目−
温故知新 全く新しいことは起きない打てればチャンスです。そういう意味では他の流行となんら変わりません。最悪なのが、遅すぎる反省をした場合です。消費者が価格に抵抗している時期に強気の価格設定を続け、アリの時期が終わって価格感度が落ちてきたころに安売りを始めます。粗利は落ちるわ、店やブランドの信用は無くなるわでガタガタになります。
 
消費者の価格感度の上昇を無視して、値下げや値ごろ品の開拓に抵抗するのも、その流行が終わったころにあわてて値下げするのも動機は同じで、売り上げ減に対する恐怖です。とくに低価格に路線を転換するころには恐怖がピークになっていますので、冷静な判断が難しくなっています。安くしないと売れないとマスコミが騒ぐ時期とも一致していますから、なおさら判断を誤りやすくなります。
 
なぁんちゃって偉そうなことを言って
   
いますが、もし、流行を前もって読めなかったとすれば、私もおんなじことをしそうです。最悪の選択をするかもしれません。逆に言うと、前もって分かっていたなら、誰だってパニクることはありません。その流行が好きか嫌いかは別ですけどね。
 
【この文、03年08月18日に記載】
 
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−流行予測 9段目−
一刀両断

経済構造に
   変化のうねり

統計、消費中心の成長示す
野口 悠紀雄
  先般発表された国民所得統計の速報は、さまざまな点で興味ある内容を含んでいた。
ー中略ー
〜95年度の計数には、これ以外にも興味ある点が多かったのである。
  第一は、輸入が驚異的な伸びを示したことだ。実質伸び率は、実に15,1%となった。第二は、GNP(国民総生産)の実質成長率(2,4%)が名目成長率(1,9%)を大幅に上回ったことである。第三は、個人消費の伸び率がGNPの伸び率を上回ったことである。
  これらは、95年度に初めて生じたことではない。
   
しかし、ここ数年の傾向がより強まっていることを示している(輸入は94年度も高い伸びを示したが、95年度はそれを上回った。94年度も実質成長率の方が高かったが、95年度ではその差が拡大した。なお、第三点はここ数年続いている傾向である)。〜
(日本経済新聞96年07月01日付より抜粋)
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
『キリギリス』の時代には、消費者は刹那的に考えるため財布の口が開きます。財布の中身が多いときも少ないときも、それなりに消費が増えてきます。ある人の消費は、他のだれかの収入です。つまり、刹那主義⇒消費の拡大⇒収入の増大、という連鎖があります。もちろん、『キリギリス』だけで景気のよさが決まるわけではありません。決定する要因の1つではあります。
(上の文 96年07月09日記載、このページに03年07月28日転記)
   
 
このキリギリスの流行要因以外にも、景気の良し悪しに関係する流行要因がいくつかあります。それらはそれぞれ規則的な循環を持っています。それ以外にも、私がまだ発見していない流行要因が、景気変動と相関を持っているかもしれません。その流行要因も一定の周期で循環しているはずです。こういう、景気と相関をもつ流行循環は、それぞれは一定のサイクルですが、全部周期が異なりますので、それを合成したものは一定の周期を持ちません。
 
それと、経済は流行循環だけで決まるわけではありません。経済構造の変化は循環しません。しまったと思っても、作ってしまった工場は消しゴムで消せませんし、不良在庫は、処分するまでは残ったままです。50年前の繊維産業は輸出産業でしたが、今は輸入産業です。これが循環して、50年前に戻るかというと、常識でわかりますね。それはない。
 
循環して戻るのは、人間の頭の中の生理現象
 
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−流行予測 10段目−
(本能)だけです。経済現象は全体では元に戻りません。経済現象にサイクルがあるのはたしかですが、それほど単純ではありません。
 
経済学者にも、循環論を支持する人がいますが、必ずしも予測に成功していません。それは、各流行要因が別なサイクルを持っていることと、それだけで経済現象が決定されるわけではないことの両方の理由からです。
 
とは言うものの、これはトップページの総論でも言いましたが、循環要因による変化まで構造要因で説明しようとする傾向が、マスコミ関係者や学者には多いようです。
 
(この文03年07月28日記載)

 
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森田洋一です。去年、IFF(インターナショナル・ファッション・フェア)を見てきました。今年からは場所が変わりましたが、去年は家の近所なので助かりました。仕事の都合ですぐには行けなくて、見たのは3日目の午後になりました。
 
そのせいでしょうか、担当者がヒマそうにしているところが多かったです。お客さんは通路を歩いているだけでなかなか中へは入りません。特に小さなブースがだめですね。ブースの中から担当者が通路をにらんでいます。これでは、中に入るどころか、立ち止まっただけで、売込みをかけられそうです。みんな怖くて近づけません。通路の真ん中を歩くほかなくなります。どっち向いていたって、何していたって目立っちゃいますもんね。
 
だったらどうしたらいいのかってことですけど、そういう場合、いっそのこと、子供だましの景品でも出して、お客さんになりそうもない野次馬を集めたら
   
どうでしょうか。どうせ客になりそうもないと思えば、顔のこわばりも取れます。そこいらじゅう部外者だらけにすれば、その中に担当者が隠れることができます。そうなれば、本当の見込み客もゆっくり商品を見れるでしょ。景品はすぐに渡しちゃだめですよ。渡したらすぐに居なくなっちゃいますから。包んだり、刻印したりして時間をかせぎましょう。半製品を用意しておいて、その場で完成させてから渡すというのもいいですね。
 
(^^♪ (^^♪ (^^♪ (^^♪ (^^♪ (^^♪ (^^♪ (^^♪
 
           
 
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−流行予測 11段目−
ウエーブ

文芸書ヒットの
舞台裏

人気集中し、二極分化も

 近ごろ、ベストセラーに異変が起きている。田辺純一著『失楽園』、妹尾河童著『少年H』、柳美里著『家族シネマ』……。売れなくなったといわれて久しい文芸書に、大ヒットが多発しているのだ。ひょっとしてこれは、文芸書復活のきざしなのだろうか?好調の背景を探ってみた。
       □      □
 発行部数を見てみよう。『失楽園』は上下巻合わせて百五十万部。『少年H』は同じく上下で八十一万部。ミリオンセラークラスの本が同時に二作、出ている。また、『家族シネマ』が二十三万五千部など、芥川賞受賞作品も例年実績の二倍以上の売れ行きだ。
   
    〔・・・・・・・〕
しかし実は、文芸書全体に活気があるわけではない。日販経営相談センターが全国百四店を対象に行った調査によると、文芸書の売り上げは九十四年からこの二月まで、前年比九〇%台と停滞を続けている。メガヒットと売れないものに二極分化しているのだ。
 出版科学研究所箱の現象について、「皆が話題の本にばかり飛びつく傾向が、どんどん強まっている」と分析する
    〔・・・・・・・〕
(文化部 笹田久見子)
 
(日本経済新聞97年5月4日付より抜粋)

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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
出版物の発行部数は、信用できる統計数字が公表されています。それで判ることは、ある特定の本に人気が集中していることです。ファッション業界には信用できる統計数字がありませんが、同じことが起きています。「メガヒットと売れないものに二極分化して」いますし、「皆が話題の○○にばかり飛びつく傾向が、どんどん強まってい」ます。「評判になった○○ばかりが売れる」傾向が強くなったのは『同一視』の流行がきているせいです。
【この文、「モード工学の視点から新聞記事を解釈するV(97年6月10日付)」より05年10月23日転記】
 
 
この記事は96年から97年にかけての流行現象を話題にしています。でも、これとよく似た話を我々はちょっと前までしていましたよね。
 
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−流行予測 12段目−
この記事の7年後にあたる03年から04年にかけてもこれとよく似たことが起こりました。やはり当時も話題になった本ばかりが売れる現象がありました。それまでのヒットの記録をぬりかえた芥川賞受賞作の「蹴りたい背中」や「蛇にピアス」、今でも売れ続けている「バカの壁」、映画もヒットした「世界の中心で愛を叫ぶ」などなど、やはり当時と同じように、「皆が話題の本にばかり飛びつ」く現象が起こっていました。他人と同じことがしたくなる同一視の活性期には、売れるものと売れないものに2極分化します。それで企業は、メガヒットしているものにエネルギーを集中させた方が儲かります。
 
現在は、同一視とは逆の対立視の活性期になっています。この時期は、メガヒットする商品が無くなるかわりにプチヒット商品が大量に現れます。こういうときには、販促費をじゃんじゃんかけて大量に売り込もうとするとコスト割れを起こします。今は、大量に売ることよりも多種類を売ることを、売り続けることよりも新鮮なものを小刻みに出すことを考えるべき時期です。
【この文 05年10月23日 記載】
   
   
2001/10/29作製。
2014/08/09最上2段をdokusi010210へ移す
2014/08/26,「山がなくても着るマウンテンパーカ」の感想文掲載。「ブルーディブック」「ジンバブエコットン」「年10回の展示会は当たり前」「ベビー服大人の流行映す」をこのページよりdokusi010210へ移す。レイアウト変更。
2014/09/08軍服の話を加筆


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