長期的に今どんなトレンドが来てる? モード工学代表 森田洋一

-FASHION 1段目-

A 一昨年から始まったカジュアル化が急上昇中の時期です

去年の6月、メンズ雑誌のポパイがリニューアルしました。その第1弾の特集が「シティボーイのABC」です。
 
ポパイが創刊されたのは1976年の6月ですから、今回は36周年目の変革になります。初期のポパイにあったサブタイトルは「Magazine for City Boys(マガジン・フォア・シティボーイズ)」で、ファッションに関してはアメリカ東海岸のトラッドとアメリカ西海岸のカジュアルのチャンポンでした。
   
今回のリニューアルではそのサブタイトルも復活させていますから昔に戻ったわけですね。
 
結果は成功でした。これまでの服に、キャップやニット帽、パーカー、ジーンズ、リュック、スニーカーなどのカジュアルアイテムを組み合わせたシティボーイがたくさん街を歩くようになりました。
 
エレガンスとカジュアルは交代で流行します。周期は12年です。ただし、いきなり反対へ行くのではなくて移行期間があります。ポパイが創刊された1976年はその移行期でした。言い換えるとカジュアル化の初期です。リニューアルがあった去年はちょうど創刊36周年にあたりますから3周期後の同じタイミングです。なのでどちらも都会的に洗練されたシティボーイになりました。
   
前回のシティボーイはその後カジュアル化がさらに進んで79年~80年ごろにピークを迎えました。プアルック、ボロルックがヒットしました。スウェットやヨットパーカーが爆発的に売れました。ビールホップを入れる袋で作ったホップサックパンツがヒットしました。下着のトランクスそっくりのショートパンツをはいて当時の女性は街を歩きました。水着のトップスは三角ブラが売れました。今見ればどうってことありませんが当時としては超過激です。デニムパンツも中古加工が当たり前でした。

現在は、カジュアルが上昇中

今回のカジュアル化は2011年ごろにスタートしました。今では、遅いタイミングのお客様でもすでにカジュアル化が始まっています。飛行機にたとえると、現在は機首が上を向いていて急上昇中の
 
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-FASHION 2段目-
タイミングです。これからしばらくは、下品、きたない、反抗がアップトレンドで、上品、キレイ、権威主義がダウントレンドです。
 
シニア向けのショップはよく「うちはエレガンスです」と言います。そのことからも分かるように、エレガンスは年齢と、カジュアルは若さと結びついています。カジュアル化が起こると、お客様は自分より若い人のファッションに挑戦するようになります。あなたの店にも、上の年齢の人がおずおずと入ってきていませんか。カジュアル化はこれからも続くのですから、今のうちにゲットしてお得意様にしましょう。
 
カジュアル期は季節感のしばりも緩んできます。強すぎるシーズンMDは弊害が大きくなります。季節がずれているなと思うアイテムでも諦めずに売ってみてください。逆に、新鮮だと言われるかもしれません。

カジュアル期は接客のしかたもカジュアルに
   
なります。お客様は「神様です」とかしこまるよりも「お客さん」として楽に接した方がよくなります。
 
【この文は、ファッション販売13年9月号に寄稿したものです。13年10月10日当サイトに転載】
 
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エレガンスはなくならない
 
山がなくても着るマウンテンパーカ
 
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「流行は繰り返されるの? それはなぜ?」
   
  カジュアルのピークは12年ごとにやってくる
      1975年カジュアル化スタート
   シティボーイ、ハマトラ、ステータスジーンズ
    1979~80年 カジュアルのピーク
プアルック、ボロルック、スエット、ヨットパーカ、スケボールック、スニーカー、ダウンベスト
     1987年 カジュアル化スタート
     渋カジ、キレカジ、ポロ・ラルフローレン
    1991~92年 カジュアルのピーク
タトゥー、ボディピアス、バスケットシューズ、スポーツバッグ、黒人ファッション、スケボールック
      1999年 カジュアル化スタート
   セレブカジュアル、お兄系、ちょいワルオヤジ
    2003~04年 カジュアルのピーク
ビーチサンダル、ダメージ加工、オカルトパンク、真冬にキャミソールやヨットパーカー、ケツルル
     2011年 カジュアル化スタート
           シティボーイ
     2015~16年カジュアルのピーク
 
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このページ作成 2013/10/10 最終更新2014/08/26