センスがいい国はファッションサイクルが速くなるか問い: 突然のメール失礼致します。
私、▽▽▽大学経済学部4年の○○○と申します。 ファッションの流行サイクルに関することで質問 させていただきたいと思い、この度ご連絡させて 頂きました。 現在、私は「ファッションの流行サイクル」という題材で卒業論文を書いております。 内容と致しましては、フランス・アメリカ合衆国・日本において、ファッションに敏感な人が多く住む 国はどこであろうという無謀にも近い疑問を、経済学を用い、ある一面からではあるものの、解決しようというものであります。 そこで各国において、1つのファッションが流行り、 |
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廃れ、次の新しいトレンドファッションに移行するまでの期間に違いがあるか調べてまいりました。
しかし、各方向から調べてみたものの惨敗に終わり、諦めていたころ、貴方のホームページに出会いました。 流行にお詳しい森田様であれば、ファッションの流行サイクルが国によって違うのか、ご存知ではないかと思い、無理を承知で連絡をさせていただいたしだいでございます。 お忙しい中、私の勝手な疑問でメールをしてしまい、大変申し訳ございません。もし出来るのであれば、是非ご協力して頂きたいと思っております。 突然のメール、大変失礼致しました。 どうか、宜しくお願い致します。 |
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森田洋一です。メールありがとうございます。
ファッションには繰り返しがありますが、それを根拠に予測しようとすると失敗します。なぜでしょうか。じつは、一つのカタマリとしてのファッションには循環がありません。 一つの流行現象に対して、○○○ルックとか□□□調とかやはり一つのネーミングを付けることが多いですが、カタマリとして見たのではファッションは理解できません。 実際のファッションは複数のパーツ(原因)に分解できます。その複数のパーツの一つひとつに |
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循環があります。例えば、○○さんや○○さんのお友達がファッションに敏感なら、このごろはいているスカートはフレアではありませんか。オシャレでなかったとしても、街でフレアスカートをはいている人を見ると、タイトスカートをはいている人より新鮮に見えますよね。
これは、トップよりボトムの方が太くなる流行です。この逆で、ボトムよりトップの方が太くなる時期もあります。トップよりボトムの方が太くなったことは、過去に何回も何十回もあります。でも、同じファッションが何十回も流行したわけではありません。それそれ別なデザインが流行しています。 ただ、他のことは無視して、トップとボトムのどちらかが太くなっているかだけで分類すると、ファッションに単純な繰り返しが出てきます。 同じように「カジュアルか、エレガンスか」「上が間延びしているか、下が間延びしているか」 |
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「曲がったデザインか、真っ直ぐなデザインか」「硬いか、柔らかいか」などという要因ごとに、そのことだけで分類すると単純な繰り返しが出てきます。こういった、流行(の原因の)要因の順列が、一つの流行現象です。
そして、それぞれの流行要因は別な周期を持っています。ですから、その順列で標記できる流行現象には単純な繰り返しがありません。 それぞれの流行要因が一定の周期で循環する原因は、我々の頭の中にあります。つまり、生理現象です。ですから周期は世界中どこでも同じです。ただ時差があります。タイミングは国(文化圏)によって違います。 たとえば、日本よりアメリカの方がタイミングが早い流行要因もありますし、逆に日本の方がアメリカよりタイミングが早い流行要因もあります。流行現象はその順列ですから、全体ではどちらの国が |
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早いとは言えません。だから、日本製品や日本のデザイナーが米国で受け入れられることも、米国製品や米国文化が日本に受け入れられることも あるわけです。
一般に経済統計は流行要因で分類してありま せん(ボトムが太いかどうかなんていう統計はないでしょう)ので自分で作るしかありません。それで私も悪戦苦闘しているわけです。 それと、ファッションセンスがあるかどうかは循環要因の周期には影響を与えません。センスが有る人も無い人も同じことをするから流行なわけです。これは、個人でも国でも同じです。経済学でファッションをとらえるというのは大変ですね。よろしかったらまた、メールください。 この文09年11月17日記載 10年07月26日、当ページに転載 |
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下比長はなんと読むつまらない質問ですが、“上比長・下比長”の読み方を教えてください。“じょうひちょう”“げひちょう”と読めばよろしいんでしょうか。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 私はジョウヒチョウ、カヒチョウと呼んでいます。上部(じょうぶ)と下部(かぶ)を比べてどちらが長いかという意味ですから。 ○○様がその商品を見て、上が詰まって下が伸びたデザインに見えれば下比長です。逆のバランスなら上比長です。 ○○様を含めて消費者の頭にはそれぞれのアイテムに対して当たり前のデザインがあります。これを「参照点」と言います。その当たり前デザインに対してどちら側に寄っているかによって〔上比長・ |
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下比長〕が決まります。
たとえばマニッシュなジャケットの場合、他のトップに比べて丈が長いですし、Vゾーンも深くなります。エリも長く下がっていますよね。ですから、上比長のときに売りやすくなります。このごろレディスでジャケットの復活が言われていますが、その理由の一つが上比長の上昇です。 上比長のタイミングでは、マニッシュジャケットは、その特徴を強調するとさらに売りやすくなります。つまり競合ブランドより丈やVゾーンを長くしてやると値段が通りやすくなります。ラッペルやポケットの位置を下げるやり方も有効です。 量販向けの場合、やりすぎると客層が狭くなりすぎるという欠点がでますが。ブランド物なら、やりすぎるくらいでちょうど良いでしょう。超経験のタイミングならなおさらです。 |
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では、逆に下比長のタイミングではどうしたらよいでしょうか。
マニッシュなジャケットは量と種類を減らす。あるいは扱わない。これが正しい答えです。消費者の常識よりも丈やVゾーンを短くする。丸首やシャツエリタイプのジャケットを扱う。これも正しい答えです。私だったら両方やります。 この文10年05月19日記載 2014年06月16日、当ページに転載 |
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2016年・2017年のタイミング予測がしたいモード工学研究所所長 森田 洋一様
初めまして、▽▽△△と申します。 理詰めのトレンド予測を読ませていただき大変感銘をうけました。 私は主にゲームアプリの企画・開発の仕事をしているのですが、 企画段階で、凡そ1年後の商品が完成する頃の顧客の趣向の変化が少しでも予測できたらと考え読ませていただきました。 非常に厚かましいのですが、書籍で読んだ内容をそのままエクセル表にスケジュール化し今後の商品企画に是非活かすことを試みたいと考えています(添付させていただきます)。 |
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突然で、厚かましい限りで、申し訳ないのですが、 何卒、よろしくお願いいたします。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ▽▽△△ 様 森田洋一です。理詰めのトレンド予測をお読みいただきありがとうございます。 あの本が出てから9年たち修正箇所が出てきました。まず〔自由・束縛〕ですが、中間が2種類あることが判明しました。つまり、自由→弱自由(3合目束縛)→弱束縛(7合目束縛)→束縛→弱束縛(3合目自由)→弱自由(7合目自由)→と変化します。ステップ数は6個で、2年ずつ計12年になります。若い男性の場合、15年・16年が自由で、17・18年が弱自由(3合目束縛)になります。 |
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もちろんこれは消費者(エンドユーザー)の位置からみた魅力の流行でのタイミングです。彼らの行動にも惰性がありますし、流行は供給側との共同作業なので流行現象はこれより遅れて見えます。 この6ステップの変化は〔アリ・キリギリス〕にも有ると現在は考えています。ただし裏付けはまだとれていません。アリ→弱アリ(3合目キリギリス)→弱キリギリス(7合目キリギリス)→キリギリス→弱キリギリス(3合目アリ)→弱アリ(7合目アリ)→ と変わっていきます。来年以降はアリです。少なくとも若い人はね。 車の運転に例えれば、我々はバックミラーだけを見て人生をはしっていきます。未来は過去の延長であると考えると心が安定します。私もそうです。でも我々が現在だと考えている現象そのものがすでに過去の残像です。実際の今現在そのものは、我々が認識できている今現在より未来にあります。 |
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このページ最終更新 2015/10/07 これはサブページです。総論はトップページ(とその続き)にあります。 検索サイトで「流行予測」「トレンド予測」「ファッション予測」と入れていただくと上位表示します。 当サイトはどのページもリンクフリーです。気に入ったらリンクをお願いします。 当方への連絡もいりません。 ご意見、感想、質問、問い合わせメール待ってます。すぐにご返事を書けないかもしれませんが、代表の森田洋一が必ず読んでいます。 モード工学 代表 森田洋一 Email mm@e−yosoku.com 045-500-9787 (問い合わせはメールでお願いします) |