雑誌の記事でファッションを予測できるか 問い: Lサイズのトレンドがあるという事は以前からHPで拝見していましたが、最近のバギーパンツの流行( し始め?)は、Lサイズトレンドなのでしょうかね? 先シーズンまではスキニーパンツ 一辺倒だったのが、一転して バギーパンツが来ると色々なブランドが騒いでいます。しかし、ここで僕に1つの疑問が持ち上がりました。 雑誌等のスタイリングを見ると、バギーには着丈の短い上物を合わせています。トレンドは上比長のはずですが、上着の着丈は短いのです。確かに、スキニーには上比長のスタイリングが良く似合いますが、バギーには着丈の長い上着は似合わない気もします。と言っても、上着もボレロ等の身幅がゆったりし |
|
た物が流行なので、上比長 < Lサイズなのかなと考えたりもしています。 要因が色々ある事はわかっていますので、簡単に流行のスタイリングの理由付けは出来ないのかもしれませんが、この部分が 僕の最近の研究課題になっています(笑) @@@@@@@@@@@@@@ 答え: 「理詰めのトレンド予測」の「はじめに」にも書きましたが、雑誌に載る「今シーズンの流行」は、極端に単純化して言うと1年前のヒット商品です。また、業界の多数派が言う「今シーズンの流行」も、極端に単純化して言うと、1年前のヒット商品です。 それと、消費者もシーズンの立ち上がりは前の年のヒット商品を買います。供給量は前の年とは比べものにならないくらい増えていますから、統計上は、去年ではなくて今年の流行であるかのように見えます。だから、雑誌や業界の |
|
「お告げ」は当たっていると、多くの人が錯覚します。 去年の秋に騒いだスキニーは去年の流行ではありません。一昨年の秋冬の流行です。前の年にヒットしていたから、雑誌が騒ぎ、業界が騒ぎました。ユニクロがやるくらいなんですから、供給量も前年と比較にならないくらい増えました。それで、数値データも跳ね上がりました。 今春夏の1年前は06年春夏です。06年春夏は、トップはショート丈が当たりで、ボトムは太い方が当たりでした。だから、今春夏向けでそういうデザインを、雑誌と業界が騒ぐのです。 雑誌や業界の「お告げ」通りに物を作ったり、物を仕入れたりして大儲けできるのなら、ファッションビジネスに「流行予測」は必要ありません。 この文07年2月27日記 07年4月5日、当ページに転載 |
|
| −トレンド予測 53段目− | |||||||||||||
売れるデザインの数が減っているのではないか 問い: 今、ファッションでは流行要因の巾(人気商品)が以前に比べて次第にピンポイントになっているのではないかという疑問を持っております。スキーデニムの売上の例を考えてみてもデザインの諸要因よりも価格の重要性が第一にきてしまう状況だと思っています。しかしこれは成長カーブとの兼ね合いでしょうか? 私見ですが森田様理論を仕事ととして実践する上で話の前提がオールアイテムを扱っているファッションブランドのものではないでしょうか? 現況ですと周りで良く聞いているのはレディースではワンピース以外は売れない、メンズではスキーデニム(インポート限定)以外は売れないなどという極端な話と経験です。 専業のシャツブランドやニットブランドなどはどのように流行要因を取り |
|
制約だらけでも対策はある |
|
入れていくのが良いのでしょうか? これもまた要因の一つなのでしょうか? @@@@@@@@@@@@@@ 答え: 現在のヤング市場は「同一視」に戻っています。 同一視の時期の売れ筋は、種類が減ります。そのかわり、各売れ筋の販売数が多くなります。SKU(在庫管理の最小単位)でみると、ランキング上位の商品のシェアが、それ以前に比べて極端に大きくなります。 同一視の時期には商品の寿命も延びます。シーズンの初期には前年のヒットデザインが一時的に復活していますが、この、前年同シーズンにヒットしたデザインを支持する人が、同一視の時期に入ると急増します。 ○○○さんがおっしゃっている、レディスの「ワンピース」やメンズの「スキーデニム」は今年の流行ではありません。去年の春夏のヒット商 |
|
品です。それがシーズン初期の段階で、今年の大型本命商品に見えるのは、現在が同一視だからです。 しかし、いくら同一視だからといっても、今年のデザインではないのですから高くは売れません。時間の経過とともに、売れる価格はどんどん下がっていきます。 これから「ワンピース」や「スキーデニム」のバブル崩壊が起こりますから、○○○さんは今からその対策を立てておいてください。そうすれば、同業者があわてている時期にニコニコしていることができます。 ファッションの供給側には、パンツ専業、シャツ専業、セレクトショップ専業など片寄りがありますが、消費者にはありません。厳密にいうと無いことはないのですが、供給側ほど極端ではありません。 ○○○さんも同じだと思います。消費者としての○○○の方が、供給 |
|
||||||
| -流行予測Q&A 54段目− | ||||||||
| 者としての○○○より片寄りが少ないのではないですか。 また、社会現象としての流行は、特定の個人で観察した流行より振れの幅が大きくなります。例えばヒット曲で考えてみましょう。かりに、アイドル歌手の流行がはじめにあり、その後に、演歌の流行があり、次にクラシックレコードが売れたとします。常識で分かりますが、この場合、アイドルの曲と演歌の曲と、クラッシックの曲を支持し買っているのは同一人物ではありません。社会現象の振れ幅と同じぐらい激しく買う物が変る人はまれです。 私の話は原則として、消費者優先、実需優先です。また、特定の市場だけを対象にしたものではありません。ですから、オールアイテムを扱っているブランドを担当している人の方が、専業の人より理解しやすいかもしれません。 ヨウカン屋の話などを例にサイトでも書きましたが、もし、供給側の人間としての○○○さんに大きな片寄りがあるのな |
|
ら、その片寄りの中で、そのときどきの流行にシフトさせればよいと思います。 たとえば、○○○さんのデザインが「タイト感」を売りにしているのなら、「ルーズ」の流行が来たときには、「ゆるめのタイト」にすればいいでしょう。布帛シャツが○○○さんの売りなら、Tシャツの流行が来たときはTシャツの何が受けているのかを考えて、それを取り入れたシャツにすれば良いわけです。 エリがないのが受けている原因だと気が付いたら、エリなしの布帛シャツをデザインすべきですし、Tシャツの素材感が受けているのだと気が付いたら、カットソーやストレッチ素材を使ったシャツをデザインすればいいことになります。 「理詰めのトレンド予測」の原稿は、はじめ本になった量の倍ありました。今回のご質問にあるようなことについても詳しく書きました。でも、半分に削ったときに無くなりました。 追伸 |
|
今春に経験したことは、今秋にも起こります。 去年のヒット商品が立ち上がりに売れる。他人と同じものが欲しいのだから、そのデザインは種類が限られている。業界全体で売った数は、去年より今年の方がはるかに多い。しかも採算が合う期間がけっこう長い。ただし売れる理由が、鮮度ではなく思い出なのだから、値段は当然去年より安い。時間の経過とともにさらに安くなっていく。いつまでも追いかけるとババをつかむリスクが高まる。どこの店にもあるので量販店くさくなって店のステータスが落ちる。このステータスが落ちるマイナスは、すぐにではなくジワジワと効いてくる。 この文07年4月4日記 07年4月5日、当ページに転載 1/2/3/4/5 このページ更新‘07年4月6日 |
|
これはサブページです。総論はトップページ(とその続き)にあります。
検索サイトで「流行予測」と入れていただくと上位表示します。
当サイトはどのページもリンクフリーです。気に入ったらリンクをお願いします。
当方への連絡もいりません。
ご意見、感想、質問、問い合わせメール待ってます。すぐにご返事を書けないかもしれませんが、所長の森田洋一が必ず読んでいます。
モード工学研究所所長 森田洋一 Email m@e-yosoku.com
045-721-2056 Fax 045-721-6888
Copyright(c) 2000-2007 Youiti Morita (m@e-yosoku.com)