ページの表題 流行予測を新聞記事で [2]          トップページへもどる

-流行予測 1段目-   
日本経済新聞12年07月13日付1面13版より抜粋)
[堅調景気
シニア消費 脱デフレの芽]
  [シニアの消費が活発だ。目立つのが旅行・レジャーへの出費。5月の家計調査では65歳以上の世帯は支出の2.5%をパック旅行に当てた。この割合は全世帯平均より0.7㌽高い。シニア客は単価が高いことが多く、阪急交通社は「この2年間でビジネスクラス利用のツアー客が5割以上増えた」という。
個人消費は日本経済を引っ張る。その主役が65歳以上のシニアだ。65歳以上が保有する金融資産は900兆円。団塊の世代が引退し始める2012年度は、こうした構図が一段と強まる。
]
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(毎日新聞12年8月24日8面14版より2カ所抜粋)
[つかめシニアの心
流通業界 消費に期待]
 [ 財布と時間に余裕がある60歳以上のシニア世代を取り込もうと、流通業界ではあの手この手の事業展開が進んでいる。個人消費全体が先細る中、約4割のシェアを握り、今後も伸びが見込めるシニア世代の旺盛な消費に期待を高めているためで、衣料品や食品だけでなく、居酒屋などさまざまな分野でシニア対応が加速している。  【岡田悟】] 
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
モード工学の森田洋一です。
次の文は拙著「理詰めのトレンド予測」からの抜粋です。
(1999年ごろから始まった)「この比較的若い人の贅沢ブームが終わった後も、シニアマーケットの方では贅沢ブームが続いていたために、2003年ごろに、シニアマーケット参入ブームが起きました。
 〔アリ・キリギリス〕も循環要因ですから、〔曲・直〕などと同じように性別、年齢の時差があります。計算の仕方も同じです。つまり、若者が先に終わり、シニアは後です。
 ところが供給側の人間は、贅沢ブームは循環しているとは考えていないので、シニア層だけに残った贅沢ブームを年金資産などの特定要因で説明しようと
 
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-流行予測 2段-
します。特定要員が原因なら当分の間大丈夫なはずなので、若者市場から閉め出された業者はシニア市場にしがみつきます。でも、シニアは若者よりタイミングが遅いだけですから、その直後に贅沢をしなくなります。あるはずだと思っていた市場がいきなり消えますから、その上に乗っていた業者は、ダルマ落としのダルマのように落っこちてしまいます。
 ということで、シニア贅沢バブルも7年半の循環があります。

 
つまりこうです。消費者が贅沢品を買ったり、消費を盛んにさせるのは、狭い意味の「経済学的理由」だけで決まるわけではありません。経済学的理由と消費行動の間には人間が介在しています。人間が消費を決めています。消費行動そのものは、消費者の頭蓋骨の外で起きていますが、その原因は頭蓋骨の中なのです。それも「消費者」と抽象的に言った場合は、おびただしい数の頭蓋骨の中になります。そのおびただしい数の頭が変化し、その総計が社会現象として表れたのですから、強気の消費もファッションなのです。
   
 
もちろん、自分のフトコロ具合とその見通しは消費者の行動に影響を与えます。でも経済状況は、消費行動に影響を与えても主役にはなれません。それは強気消費だけでなく他のファッションだって同じです。
 
経済は、消費にとって脇役なのですから、強気消費は第一にファッションとして論じるべきです。金融資産がどうのこうのなどという、経済評論家が好みそうな話は、それに加える修正項として後から考えればよろしい。
 
強気消費はファッションですから年齢による時差があります。若者が先で老人が後です。若者市場が、強気消費から弱気消費に変わった直後のタイミングでは、シニア市場はまだ強気消費が続いています。シニア消費だけが膨らんでいるのですから、当然供給側はシニア市場開拓にエネルギーを集中させます。そこまでは間違っていません。

問題なのは、それがファッションだと考えていない
   
ことです。若い市場ではすでに終わっていて、シニアにまだ残っているだけの賞味期限ギリギリのファッションだと思っていないことです。あったはずの市場がいきなり消えますから、企業は、カーブを曲がりきれずにオーバーランをして崖から落ちることになります。以前と同様に今回もシニアシフトバブルの崩壊が避けられません。
【この文、12年09月12日記】
 
この後実際にシニアの消費意欲減退が起きた。(2015/02/08加筆)
 
【関連ページ】
家電、自動車業界の景気は予測できる
(理詰めのトレンド予測第5章2節)
 
 
戻る変化を続く変化と間違える 
 
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-流行予測 3段-
 
[超高音質音楽配信広がる
「革新」の音色ファン魅了
 超高音質を売り物にした音楽配信が広がってきた。魅力はCDの3~8倍の豊富な情報量が生み出す緻密で迫力のある音質だ。長年のオーディオファンが舌を巻き、若年層もライブのような臨場感に心を動かされる。
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
ここ数年、基本性能の良さが価格に転嫁できる流行が続いています。それは今までが「対立視」のタイミングだったからです。対立視の時期の消費者は物事の違っている点に関心を持ち評価します。対立視という循環要因が活性化していると、消費者はデザインも性能も妥協できません。そのかわり、その違いのためにお金を払います。
 
循環要因は流行の原因で、一定の周期で循環しています。対立視の場合はその周期は約7年です。
 
循環しているということは不活性の時も当然あるわけです。この時期を私は「同一視」と呼んでいます。同一視の時期の消費者は基本性能の違いにはあまり気にしなくなります。その違いのためだけにはお金を払わなくなります。基本性能の違いでは売れない時期の企業は、商品を基本機能軽視、おもしろ機能重視に変え
   
なければなりません。
 
米アップルの「iPod」はその時期に発売して成功した商品です。パソコンでダウンロードすればCDなしで楽しめるようになりました。そのかわり、ダウンロードできる音楽の情報量はCDの約1割で、その分だけ音質は悪くなりました。でも当時の消費者は、おもしろ機能のプラスと基本性能のマイナスを比べて、iPodのプラスの方を高く評価して買い求めました。
 
【この文、12年09月23日記】
 
 
【関連ページ】
基本性能が評価されるのも流行だ
(理詰めのトレンド予測第4章2節より)
 
 
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-流行予測 4段-

["JS"向け「スマホ」人気]
  [――クリスマス商戦に向けた手応えは?
  ◆本物のスマートホンのように画面を指先でタッチし、スライドで操作が楽しめる「ジュエルポッド」が好調です。人気キャラクターをモチーフにしており、搭載したカメラで撮った画像にキャラクターのフレームなどを使い、プリクラのように遊べます。女子小学生のローマ字略の"JS"に人気で「クリスマス商戦」期待の商品です。
  ――”JS"が主力層なのですね。
  ◆男の子の遊びのとらえ方と、ちょっと違って、流行に敏感で、どんどん大人の真似をしたいという年ごろですね。「ジェルポッド」は今年、「日本おもちゃ大賞」ガールズ・トイ部門で優秀賞を受賞しました。
]
 
毎日新聞12年10月05日付13面12版より抜粋)
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
左の文は、セガトイズ社長の鈴木義治氏にインタビューした記事からの抜粋です。今回大ヒットしているジュエルポッドダイヤモンドはジュエルポッドの3代目にあたります。発売が12年7月です。人気の中心は女子小学生で、それも低学年の方に寄っています。女子小学生が大人の真似をしたがるのはこの記事にあるように事実でしょうが、その傾向はいつも一定ではありません。真似をしたい気持ちが前後の時期より強くなるときと、前後の時期より弱くなるときがあります。これは他の世代でも男でも同じです。他の世代と比べて他人の真似をしたがる人が多い世代も少ない世代も、その世代の中だけでみるとそれぞれに、前後の時期に比べてより真似をしたがるようになる時期としたがらないようになる時期があります。真似したがる時期を「同一視」、真似したがらない時期を「対立視」と私は呼んでいます。「同一視」「対立視」は代わり番こに一定の周期で流行しています。周期は約7年です。ただ、その流行のタイ
   
ミングは性別や世代によって時差があります。男より女の方が早く、若い人の方が年配の人より早くなります。女子小学生は究極の若い女性ですから他の世代に比べてかなり早くなります。もっとも、女子小学生向けの商品がすべて早いわけではありません。早いのは購買選択権が本人にある場合だけです。購買選択権が親にある商品ではヒットのタイミングは親の流行の時期になりますから、20歳代の女性などよりむしろ遅くなります。現在は多くの市場がまだ「対立視」のタイミングです。でも、この記事からも分かるように、超若い女性であるJS(女子小学生)では「大人の真似」商品が7月から大ヒットしているわけですから、JSに限ればすでに「同一視」の時期に入っています。これから、より年上の世代へと、女性から男性へとじょじょに同一視は広がっていきます。       【この文、13年01月12日記】 
 
【関連ページ】
新聞記事からも流行が予測できる
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-流行予測 5段-
(繊研新聞12年11月28日付1面より抜粋)
 
[冷え込み後押し2ケタ増
百貨店婦人コートが活況]
 [コート販売の好調は、百貨店の主戦場であるミセス層での消費トレンドの変化も影響している。従来のミセスに好まれるコートといえば、きちんとしたエレガンスタイプだったが、今シーズンはややカジュアルに寄った普段使いのできるものに支持が広がっている。手持ちのベーシック品に加えて定番でないもう1枚のコートを求める“2枚目需要”が高まっている。]
 
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
ミセスコートの売れ筋が「きちんとしたエレガンスタイプ」から「ややカジュアルに寄った」デザインになったのは、現在の流行がエレガンスからカジュアルへ向かう途中のタイミングだからです。
 
エレガンスとカジュアルは代わり番こに流行します。〔エレガンス・カジュアル〕は循環要因(循環している流行の原因)です。ただし一気には変わりません。エレガンスとカジュアルの間には中間の時期がありまして、そのどっち付かずの中間を通ってからカジュアルに替わります。そして現在はその中間の時期なのです。
 
今は、エレガンス全盛からカジュアル全盛へ移る間の中間ですが、カジュアルからエレガンスへ戻るときにも中間があります。つまり、流行はエレガンス→(カジュアルへ向かう)中間→カジュアル→(エレガンスへ向かう)中間→エレガンス
4種類の時期を順番に回っていき
   
ます。それぞれのステップの期間は約3年です。つまり、3年×4ステップ=約12年で1巡しています。
 
現在がカジュアルへ向かう中間だということは3年後はカジュアルど真ん中だということです。2015年の秋冬の百貨店ミセスコートは現在の売れ筋よりさらにカジュアルへシフトしたものがヒットしています。そしてその後再びエレガンス方向へ変化していきます。3年ごとに1ステップずつ進むのですから、今から9年後の2021年の百貨店ミセスはエレガンスど真ん中になります。ただし、戻るのはこの〔エレガンス・カジュアル〕という循環要因だけです。他の循環要因は別な周期を持っていますから、エレガンスだからといって前回のエレガンスの時期と同じデザインが流行するわけではありません。  
【この文、12年12月08日記】
 
【関連ページ】
流行の中間期はさじ加減が微妙
(理詰めのトレンド予測第6章2節より)
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-流行予測 6段-

[パンケーキ、きれいに焼くには]
  [パンケーキの専門店が続々とオープンし、話題になっている。何段も重なったもの、ハワイの朝食風に果物がのったもの……。休日の朝に出かけてみたら、すでに数時間待ちの行列ができていた]
 [東京・原宿の名物がクレープからパンケーキに代わりつつある.2010年、ハワイの人気店「エッグスンシングス」が国内1号店を開店、ブームの火付け役になった。]
[原宿には専門店がひしめく
] 
 
 
日本経済新聞13年01月12日付Sより抜粋)
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
左にある文は、新聞からの抜粋です。記事は、全体としてはパンケーキの上手な焼き方について説明しています。その中で、パンケーキの流行についてもふれていましたので、その部分だけ抜き書きしてみました。
 
パンケーキとはようするにホットケーキのことなのですが、今回ブームになったパンケーキは、私のようなロートルがイメージするホットケーキよりもやや甘みが少なくふわふわとした柔らかいものを指しているようです。
 
エッグスシングスの1号店がオープンしたのが2010年の3月です。同じころユニクロのヒートテックもヒットしていました。当時は柔らかい感触の流行が来ていました。柔らかいという素材の性質が魅力を持っていた時期でした。シリコンゴム製調理器具や「クロックス」のゴムサンダル、薄地Tシャツ、ナイロン表地ダウンの流行も同時期のものです。
   
 
また当時は、「軽い」という素材の性質もイケているタイミングでした。パンケーキ・ヒートテック・シリコンゴム製調理器具・クロックス・薄地Tしゃつ・ナイロンダウンなどは、軽いというてんでも当時のタイミングにどんぴしゃでした。
 
今はどうでしょう。去年、お笑い芸人の「スギちゃん」が人気になりましたが、彼が着ている衣装はデニム生地でしたね。つまり、重くて硬いになっています。一般のファッション店でもデニム製品は売れました。硬さ重さに関してはまさにパンケーキ時代とは真逆ですね。
 
で、これからですが、今度は重くて柔らかいになります。これからしばらくの間は、軽くて硬い物がヒットできなくて、重くて柔らかい物がヒットするようになります。もちろん、他の流行同様に老若男女で時差があります。
【この文、13年02月21日記】 
 
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-流行予測 7段-
[専門店レディス]
[2月の結果
 セール品の動きが悪く、店頭の新鮮みを欠いて不調だった店が大半。
逆に、先物買いなどで好調だった店もあった。
 
(繊研新聞13年03月07日付より抜粋)
 
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[ “シーズン”の変化が加速している。月別平均気温と季節感、消費者の買い方がここ数年で大きく変わり、アパレル業界がこれまで常識としてきたシーズンMDとのズレが顕著になっている。消費者がそのシーズンの新商品を一斉に買う時期が従来に比べてほぼ1カ月遅れ、以前の「実需期」は「紹介期」となった。
 
[「先物買い」減る
 リーマンショック以降、消費者のファッション商品の買い方が一段と慎重になっている。「商品の価値をじっくり吟味し、価値の高さが実感できなければ買わない」(オンワード樫山など)傾向が強まり、シーズントレンド商品を早い時期に買う「先物買い」が以前に比べて減少している。
 
(繊研新聞12年02月29日付より2カ所抜粋)
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モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
衣料品には季節感があります。そのため季節によって売れるものが違います。
 
春夏物、秋冬物というように春と夏、秋と冬を一緒くたにする言い方があります。春と夏の違いと秋と冬の違いはたいしたことはありません。大きいのは冬と春の違いと夏と秋の違いです。それで1年をシーズンで大きく分けると2つに分かれます。
 
この2つのシーズンの変わり目では、旧シーズンと新シーズンのデザインの違いが大きいですから、頭の中がまだ旧シーズンのままの消費者は新シーズンの物は買いませんし、頭の中がすでに新シーズンに変わっている消費者は旧シーズンの物は買いません。小売店にとって店内の商品のシーズンをいつ切り替えるかが問題です。
 
 
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-流行予測 8段-
この2シーズン問題以外では、防寒物を並べる時期をいつにするかも大事。防寒物を売る期間は1年に1回しかありません。それ以外の時期は防寒物は無し。有るか無いかどちらかですからこの違いも大きい。どれにしてもプロにとっては悩みの種です。
 
シーズンの切替を早くしすぎれば古いシーズンのものが足らなくなって機会ロスを起こすうえ新シーズンのものがなかなか売れ出さなくて苦戦します。逆に遅くしすぎれば、客の頭は先に新シーズンになっていますから、店内の古いシーズンのものは売れません。季節外れの売れ残りだらけに見えるので店のイメージもダウンします。この場合は消費者の頭に追いついていないわけですから、新シーズンのものの方が足らなくて機会ロスを起こします。
 
このように商品を変える時期を決めるのは店にとってとっても大事なんですが、みんなどうやっているかというと、たいていは前年の経験をもとに決めます。去年に季節の切替を早くやりすぎた企業は今年は
   
前回より遅くしますし、遅くしすぎた企業は逆に早くします。 これでうまく調整できればめでたしめでたしです。でも、多くの場合うまくいきません。季節の変わり目の最適時期はほとんど毎年変化するからです。前年とほとんど同じということはまずありません。もちろん、前年より早くなりっぱなしとか遅くなりっぱなしということはなくて、早くなったり遅くなったりを繰り返します。つまり、季節の変わり目が早い遅いは、毎年変わるうえ繰り返しがあるのですから流行なのです。
 
季節の変わり目の早い遅いに、その年の気温はもちろん関係します。冬から春に向かうときは気温が高いと春物が売りやすく低いと冬物が売りやすい。季節が夏から秋に向かうときは気温が高いと夏物が売りやすく低いと秋物が売りやすい。当たり前ですね。でも、それより流行の方が優先しています。季節の変わり目は暑さ寒さよりファッションです。デザインの流行と同じことです。
 
毛糸の帽子や長袖が夏に売れることがあります。ショートパンツやノンスリーブが冬に売れることも
   
あります。気温は無視できませんが、それよりファッションが大事です。季節のど真ん中でもそうなのですから、季節商品の変わり目はなおさらのことで気温よりファッションの方が何倍も大事です。だから気温の変動が予測できなくても季節感が変わる時期は予測できるのです。
 
私は非日常性が流行する時期を超経験と言っています。超といっても若い娘が「超カワイイ」などと言うときに使う強調の超ではありません。超自然とか超常現象などの方の否定的な意味の方の超です。これとは逆に、日常的なことを評価し支持する時期が従経験です。超経験と従経験は一定の周期で代わり番こに流行します。
 
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」という句があります。現在の私たちは初鰹を江戸時代の人のようには珍重しませんが、かわりにボージョレヌーボーで騒ぎます。ま、似たようなもんです。 新しい季節が来ると古い季節に少し飽きていた私たちには新しい季節が新鮮に
 
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-流行予測 9段-
感じます。季節商品も同じで、スタートの時期には新鮮プレミアムがついています。その新鮮プレミアムを超経験の時期の消費者はより高く評価します。
 
ほとんどの人がまだ冬物を着ている時期に春物を着ている人を見たら新鮮ですよね。同じく、ほとんどの人がまだ夏物を着ている時期に秋物を着たら新鮮ですよね。ですから、いつもと違っていることを支持する超経験の時期にはシーズンの変わり目が例年より早くなります。シーズンの先取りをする人が大量発生します。逆に従経験の時期には季節の変わり目が遅くなります。
 
もう一度言います。季節の変わり目がいつになるかは流行です。流行ですから前もって予測できます。
 
【この文、13年05月26日記】  
 
   
【関連ページ】
消費者ニーズとのズレ顕著 最盛期が後ろに
 
 
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  ハイブリッド加湿器は開放形
   
         モード工学研究所の森田洋一 ちょっと脱線 モード工学研究所の森田洋一
 
13年05月27日発行のファッション販売7月号に、「Q 流行は繰り返されるの? それはなぜ?」というタイトルで原稿を書きました。興味があったら読んでみてください。
 
あっ、立ち読みじゃなくて買って読んでね。
 
 (^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪(^^♪
 
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-流行予測 10段-
[いつやるか?今でしょ!]
[いつ買うか?今でしょ!]
[2009年にサッカーワールドカップ日本代表の試合放送の際に流れる東進講師陣の名言CMが一部で話題となり、2010年にはフジテレビ「はねるのトびら」とNHK「サラリーマンNEO」でパロディCMが制作された。共演している他東進講師に比べて知名度の低かった林自身も「いつやるか? 今でしょ!」というセリフで話題となり、セリフを自身の著作やブログのタイトルに採用していた。全国的に有名になり流行語化したのは2013年「いつ買うか? 今でしょ!」と改変したセリフでトヨタ自動車のテレビCMに本人出演したのがきっかけであり、ほどなくして「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングにテレフォンゲストとして出演したことでより一層話題性が高まった。以後、精力的にバラエティ番組等への出演をしている。
なお、この言葉は特に著作権などが発生しない一般語句の組み合わせのため、流行語になって以降は
   
ジャンルを問わず様々な番組・CMなどで多用されている。
 
Wikipedia 林修 より抜粋)
 
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                  市場予測コンサルタントの森田洋一
   
モード工学研究所の森田洋一 読紙感想文
左の文は、東進ハイスクールで現代文講師をやっておられるの林修(はやしおさむ)さんについてのWikipediaの記述です。これからわかることは林さんのブレークは2009年と2013年(前半)の2回あったということです。第1回目のブレークが「いつやるか?今でしょ!」で、これは将来のために今を犠牲にする先憂後楽の流行です。
 
なぜなら、ここで言っている「いつやるか」とは、受験勉強のことだからです。あなたもそうだったでしょうが、受験勉強は楽しいものではありません。つらく苦しいものです。それでもなぜやるかというと、そうすることで志望の大学に入り、希望する企業へ行き、豊かな生活をおくり、……と、将来のプラスが今のマイナスを補ってあまりあることが分かっているからです。
 
こういう、先のことのために現在の犠牲をいとわない流
 
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-流行予測11段-
行を、私は「アリ」といっています.イソップ物語の「アリとキリギリス」に出てくるアリです。このアリとは逆の流行が「キリギリス」で、刹那主義の流行です。キリギリスが流行しているときの人々は今が大事で先のことを考えません。
 
2013年にヒットした「いつ買うか?今でしょ!」は自動車のCMですから、今買うのは車です。乗用車に関心のある人にとって、新車が手に入るということはうれしいに決まっています。ローンをどうするか、新車関連の出費をどうするかなどは後のこと、今はうれしいだけ。これは現在を重視して将来を軽視しているのですからキリギリスの流行です。
 
このアリとキリギリスは代わりばんこに流行しています。周期は約7年半です。「いつやるか?今でしょ!」と「いつ買うか?今でしょ!」はのヒットの時期が4年弱離れていますから、〔アリ・キリギリス〕の周期で考えると真逆の流行になります。
 
   
今の国民が、経済に関して、財政の規律がどうのこうのとか、将来世代の負担がああだこうだという話よりも、今すぐの景気のほうに関心を持つのは、現在がキリギリスの流行期だからです。
 
【この文、13年07月21日記】 
 
【関連ページ】
[アリ型人間]と[キリギリス型人間]は交互に現れる
 
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         モード工学研究所の森田洋一 ちょっと脱線 モード工学研究所の森田洋一
 
13年07月27日発行のファッション販売9月号に、長期的なトレンドのどのへんに今我々はいるのかというテーマで原稿を書きました。もちろんファッションの話ですが、服飾だけの流行について言ったわけではないので、あなたがどんな立場の人であったとしても参考になると思います。読んでみてください。
 
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このページ作成 ’12年09月12日、最終更新15年02月08日